山内志郎『中世哲学入門――存在の海をめぐる思想史』 ちくま新書、2023年、1150円+税 石川雄一 (教会史家) 『中世哲学入門』というタイトルを聞いて皆様はどのような本を思い浮かべるでしょうか。「中世における哲学の歴 Continue reading
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『十字軍国家』
櫻井康人『十字軍国家』 筑摩書房、2023年、1900円+税 石川雄一 (教会史家) 巷にあふれている俗説とは異なり、十字軍とは「狂信的なキリスト教徒がイスラム教徒にしかけた宗教戦争」ではありませんでした。例えば、フラン Continue reading
ガザ学派
石川雄一(教会史家) 現在、ガザという地域は戦争やテロ、難民といった負のイメージと結びつけられて語られることが多いです。そんなガザですが、古代末期から中世初期にかけては、地中海における学問の中心地の一つとみなされていたの Continue reading
アナトリアの教会史
石川雄一(教会史家) 現在のトルコ共和国の面積のほとんどは、小アジアとも呼ばれるアナトリア半島によって占められています。この地に遊牧民族であったトルコ人が本格的に住むようになったのは11世紀後半からであり、それまでの約1 Continue reading
『古代キリスト教と女性 その霊的伝承と多様性』
『古代キリスト教と女性 その霊的伝承と多様性』 宮本久雄編著、教友社、2022年。定価:2000円+税 220ページ 19世紀に出現したフェミニズムは、思想や政治の世界だけでなく、学問の世界にも大きな影響を Continue reading
聖母マリアのカンティーガ―中世イベリアの信仰と芸術―
『聖母マリアのカンティーガ―中世イベリアの信仰と芸術―』 菊地章太著、サンパウロ、2020年。定価:2100円+税 246ページ/A5判 並製 今日、スペインとポルトガルのあるイベリア半島は独自の興味深い文 Continue reading
マグダラのマリアはどのようにして人気の聖女となったか
石川雄一(教会史家) 聖書に登場する最も有名な女性の一人であるマグダラのマリアは、フラ・アンジェリコ(1395頃-1455)やエル・グレコ(1541-1614)の絵画をはじめ、シャルパンティエ(1643-1704)の音楽 Continue reading
『女教皇ヨハンナ 伝説の伝記』
『女教皇ヨハンナ 伝説の伝記』 マックス・ケルナー/クラウス・ヘルバース著、藤崎衛/エリック・シッケタンツ訳、三元社、2015年。定価:3000円+税 230頁 第二バチカン公会議を開催したローマ教皇は聖ヨ Continue reading
イースターはいつ祝われる? ――その日程をめぐる歴史について
石川雄一(教会史家) 2022年は4月17日がイースターにあたります。テーマパークのイベントやデパートなどの商業戦略でイースターの認知度が日本でも昔に比べて高まったとはいえ、クリスマスのように広く定着はしていません。それ Continue reading
湖のランスロ
孤高の監督ロベール・ブレッソンによる「アーサー王伝説」を題材とした映画『湖のランスロ』(1974)が2022年3月11日に日本で初めて劇場公開されます。ナチスに捕らえられた若者の脱獄を描いた『抵抗』(1956)などで知ら Continue reading