鵜飼清(評論家) 十字架上のイエス・キリストを見ながら、ときどき感じることがあります。 あのイエスさまは、死んだあとのイエスさまなのだろうか? いや、まだ生きているイエスさまだろう。 「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」「わ Continue reading
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対談 映画『桜色の風が咲く』 松本准平監督に聞く
鵜飼清(AMOR編集部) ●プロローグ 松本監督とお話する場所を高田馬場にさせていただいたのには、ちょっと理由があります。高田馬場というところには、ヘレン・ケラーと縁があります。大久保に日本ヘレン・ケラー協会があり、JR Continue reading
金はなくても花が咲く 生きてるうちが花なのよ
鵜飼清(評論家) 戦後77年目の2022年の夏は、猛暑が続くやけに暑い夏だった。コロナにロシアのウクライナ侵攻と、世の中はいやなことが続いている。安倍元総理の暗殺は、日本の戦後史を顧みなければならない課題をも残した形にな Continue reading
聖母と寅さん
鵜飼清(評論家) ぼくが大学生の頃、銀座4丁目の三越1階にあったマクドナルドでアルバイトをしました。この店は、マクドナルドの日本第一号店でした。日曜日ともなると、歩行者天国で集まった人たちがわんさか押し寄せてきました。一 Continue reading
余白のパンセ 11 われ思うパスカルありと
井上洋治神父は1950(昭和25)年に東京大学で森有正さんの講義に出席していた関係からパスカルを卒論に選びました。 「ヨーロッパ近代が誕生していく17世紀の初めに生まれ、自然科学にこの上ない関心を示したパスカルは、僅か1 Continue reading
死者を死者として終わらせてはならない
戦争で街が破壊され、非戦闘員たちが爆弾の犠牲になっていく。ミサイル弾は容赦なくアパートや劇場、病院に打ち込まれ、女性や子ども、老人たちが犠牲になって亡骸が放置される。 街が戦場と化したとき、そこは地獄の様相を呈する。こう Continue reading
余白のパンセ 10 愛の人――高松凌雲
寒さが続く冬の一日、それでも少しずつ春らしい日差しを感じる頃、谷中霊園に足を向けました。高松凌雲という人のお墓へ行こうと思ったからです。ずいぶんと久しぶりの谷中墓地でした。最初に高松凌雲のお墓に行ったのはいまから42年前 Continue reading
余白のパンセ 9 微笑みながら咲いている花のように
私が大学を卒業した1975年は戦後最大の不況と言われた年でした。就職したくてもなかなか就職先が見つからないという状況でした。 私は大学の友人が自民党の代議士の秘書をしていて、ときどき議員会館の代議士の部屋に遊びに行ったり Continue reading
安魂(あんこん)
『こどもしょくどう』で第44回カトリック映画賞を受賞した日向寺太郎監督が、日中国交正常化50周年に日中合作で取り組んだ作品である。 原作は中国国家一級作家に認定されている周大新の同名小説である。周氏は中国の一人っ子政策の Continue reading
神は無きに等しい者をあえて選ばれた
鵜飼清(評論家) 昨年(2020年)の今頃は、家と事務所の二重引っ越しの準備に追われていた。 コロナで事務所は撤退せざるを得ない、いやそれだけではなく、編集・制作の請負仕事が人災に遭ってしまって思うようにお金が入らなかっ Continue reading