クリスマスの月。降誕を物語る福音書は、天使のお告げに満ちています。イエスの誕生を予告する天使、誕生を祝う天使など、降誕の夜を演じる聖劇にも欠かせない天使の存在ですが、案外、このAMORでは主題にしたことがありませんでした。そこで、今回は、いったい天使とは何なのか、という問いかけをベースに、諸々記事を組んでみました。
聖書の中の天使から始め、キリストの降誕や復活における天使たちの役割を見つつ、天使のイメージというものがどのような信心と結びついているか、諸宗教の歴史にも関心を向けていきたいと思います。と同時に、現代の私たちの人生において、天使とおぼしき存在との出会いはなかったでしょうか?
――そんな問いから体験記事募集も試みています。それは、ある種、奇想天外な問いかけかもしれませんので、今回の特集をきっかけに今後ともそのような募集を続けたいとも思っています。「あなた」にとって、「私」にとって、天使との出会いがなかったでしょうか。自分の人生のあの瞬間に出会ったのは天使なのではなかったでしょうか。今も残るメッセージがある……など、そうした振り返りも、人生の味わいを深めていくものになるのではないかと思います。
天使の表象は、キリスト教の美術とともに展開し、現代においても美術、映画、文学、絵本などで生き続けています。それらを通じて、天使の存在は既知のもののようですが、その真実については、あまり考えられたことがなかったかもしれません。その意味でも不思議な天使の存在とそれに対する人々の思いのうちに何か人間の真実が隠されているのではないでしょうか。そのような思索をともにしていただけたら嬉しいです。天使を通じてもたらされる、いと高き方からの幸いなるお告げが、豊かにありますように!