特集83 旅の思い出――多彩なインパクト


日常の中のアドベンチャー

2023年はさながら旅行復興の年のようです。新型コロナウイルス感染予防のため慎重な行動は必要とされつつも、外的な行動制限は解かれ、感染対策と自由行動に関して一人ひとりが慎重に感染対策には取り組みつつ行動は自由という、感染症危機との共住の中での新たな旅行スタイルが求められているところです。

そんな夏が過ぎようとしている9月、AMORでは「旅」をテーマにしてみました。これまで体験した旅、そして今年の夏のフレッシュな旅行体験をことばにし、読み合い、その体験や感想を分かち合うという趣向です。過去の旅からはとても大きなインパクトを受けた体験、世界観、価値観が揺るがされた体験などを求め、最新の旅行については、その道程の中での気づきと感動のプロセスをことばにしてもらうという趣向になりました。

今回の寄稿を見て感じるのは、旅はことばにするとき、立派に共有財産になる、ということです。見知らぬ場所・土地・町や村に行くことが、はらはらどきどきの冒険となり、それを物語る文章は読み手を思わず引き込んでいきます。もちろん、実際に見た景色・色彩・個物のすべてはことばに尽くせませんが、だからといって写真でも尽くせません。旅行者の行動とともに景色が変わり、広がり、新たに見えてくるもの、出会ってくるものがその人に大きな魅力を放ち始めていくさまを、ことばは不思議な力で分かち合わせてくれます。それは旅行というものの特質だけでなく、それを物語る営み(旅行記、紀行文、旅日記等)、伝える営みがもつユニークな個性です。

現代のカトリック教会では、「旅する神の民」として教会、すなわちキリスト者のことを言い表します。巡り歩く民、ひいては巡礼する民を表す意味の「旅」ですし、そこには、いつも神を礼拝する民、そして神に招かれて未知の世界に向かうという、召命の旅ニュアンスがあります。けれども、神を格別に意識しなくても、旅行・旅は、いつも異世界への興味や異世界からの招きに惹かれていくものとして、いつもそこには小さな召命、そして冒険があるのではないでしょうか。それこそは、わたしたち人間がいつも何かに開かれている存在であることのしるしです。その「何か」について考え続けることへの、旅は誘いにもなっていきます。

旅を振り返り語る、一行一行がその旅の一歩一歩であるという醍醐味を、今回寄せられた文章(ほとんどが20代からの寄稿です)を通してぜひ、味わってください。

 

「神は一つだ。信じ方がちがうだけだ」―あるロシア人の宗教観―

ブダペシュトに恋して

全ての出会いと出来事に感謝の気持ちを込めて

ロヨラへの旅

旅を通して招かれるもの

 


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