AとMとOとR……世界状況の中でのウェブマガジン、5年目のリスタートへ


石井祥裕(AMOR編集部を代表して)

このウェブマガジン「AMOR―陽だまりの丘」は、2016年11月に創刊されました。マガジンという限り、紙媒体での発行物のイメージを受け継いでいます。企画編集に携わる者も皆、紙媒体での新聞や雑誌、事典などの編集経験者で、それぞれの経験値と企画手法の記憶をもとに手探りで動き始め、はや4年がたちました。

 

名前にこめた思いが深まったこの1

SIGNIS JAPAN(カトリックメディア協議会)の関係者有志の中から持ち上がったこのウェブマガジン企画の名称はそのときから「AMOR」と呼ばれていました。ラテン語の「愛」です。2016年4月に集った創刊メンバーの間で、この名に「陽だまりの丘」というサブネームが付けられ、これをもって自分たちの姿勢表示としました。

その時のメンバーの思いは創刊特集(特集1)で語られています。基本は今も変わりませんが、今、5年目に突入したなかでその意味するところがさらに深められていると実感しています。創刊満3年の月にあたった教皇フランシスコの訪日という出来事、そして、今年春からの新型コロナウイルスの世界的感染という事態を通してです。

創刊時、「AMOR」という名に関して、冗談のように、しかし真剣に語られていたことがあります。それは、AMORのAとMとOとRを逆に並べるとROMA、すなわちローマとなることです。この意図せざる符合がいろいろな発想を刺激することになりました。ヨーロッパ(そしてアメリカ、ロシア)から伝来した日本におけるキリスト教の歴史に対する根本的なレスポンス(応答)でありたいという思いです。西洋から来た「キリスト教」をそのベクトルのまま翻訳的に日本の人々に伝えようとしてきた、これまでの教会の宣教や関係メディアのあり方とは一線を画し、日本の地に住む自分たちの生き方、文化、伝統、歴史、思い、ことばの中から福音的なものを語っていきたい、分かち合っていきたいという思いです。このAとMとOとRの並びが、そんな意識をたえず刺激し続けているのです。

それともう一つ、今年意識されるのは、いのちの根底にある「愛」の意味とそのあり方です。人と人が出会い、集い、かかわり、交わり、支え合うという、根源的ないのちの営みとしての人類の生存が、根本的な脅威に今、さらされています。精神的な営みも含めて、文明、文化の根幹が揺るがされているなかで、AMOR=愛がいのちの源として問われ、求められ、それとともに、インターネットによるメディア活動の使命や役割が新たに照らし出されているのです。

 

懇談会を開催して……AMORへの感想と提言

そのような2020年状況の中で、9月3日、わたしたちAMOR編集部と称する企画・編集スタッフ(しばしばライターでもあります。現在は12名ほど)は、最近の寄稿協力者の方々を数名招いて懇談会を開催しました。その中で創刊からまる4年を経たこの「AMOR」に対する感想と提言をいただきました。たとえば……

「バラエティー豊かな記事の中で、自分の仕事(宗教科教育)との関係で、キリシタンに関する記事とかアートに関する連載とか、思い思いに参照させてもらっている」「これだけの記事をただで読ませてもらっていいの?と率直に思うこともある」

「キリスト教メディアの一般の傾向には距離を感じてあまり見ることはないが、別の方向をAMORには期待したい。そのためには社会的現実に切り込んでいくとか、時事的なものを意識して取りあげるとか、そのようなことも必要ではないか」

「客観的なものだけでなく、個人の体験や告白的な記事が多くあり、それらに心が動かされる」

「自分が書かせてもらえるところであるという、自由さが何よりだと思う。肩書的なことに構わずに、自由にさまざまな人の声に触れられる。自分が書くことで、恩師や仲間たち、とくにキリスト者ではない知り合いにもこのマガジンを紹介して読んでもらえることになる」

「本当に記事が豊かで、興味に応じて、いろいろ拾っていくことができるが、AMORとして何が中心なのかということが見えない。入り口にあるものが何なのか」

「読みたい記事を探しにくいと思うことがある」

「記事だけでなく、一般雑誌にもみられるインタビューとか対談、座談会のようなものを織り込んでいくのがよいのではないか」

などなど、貴重な感想や提言をいただきました。

それらのなかから、探しにくさという問題を受けとめ、対応を図ったのが11月1日からのトップページのメニュー編成(カテゴリー区分)のリニューアルです。紙媒体の雑誌と大きく違うのは、掲載した記事がすべて蓄積されて提供され続けるところです。そのためにはサイトマップやサイト内検索を皆さんのほうでも有効活用していただきたいと思います。

中心は何なのか、鋭い指摘でした。或る記事だけが中心というものではありませんが、AMORとしての問いかけや意識を表明しているのが、毎回の特集のリードです。企画意図と寄せられた記事との対話を通して、参加している人々の思いの“尾根”をたどっていけるのではないかと思います。その道はもちろんまだまだ途中です。この旅を共にしてくださる方々がさらに多くなっていくことを願ってやみません。

 

今後の運営と成長のために

運営に携わるメンバーのもう一つの課題というか悩みというか本音を書かせていただきます。それは、このウェブマガジンを維持し、さらに成長させていくための資金源は?という課題です。

このマガジンは、2015年申請のSIGINIS JAPANのプロジェクトとして、バチカン(福音宣教省)からの助成金交付を受けて始まったものです。限りあるこの資金を数年かけて活用し、サイト開設・維持の基礎費用と少額の編集実務報酬と寄稿謝礼で運営すべく、ほとんどのことはボランティアで賄われています。

そして、創刊4年を経て5年目に突入した今、今後の運営とさらなる成長のために、逐次資金を賄っていく必要に迫られています。それがこのプロジェクトの喫緊の課題なのです。AMORといっても、最初はROMAの助けがあって始まりました。これからは、自発的な宣教活動として、広く資金面での協力も求めていこう、そのように参加する人々の共有メディアにもっとなっていけるように、かかわる人々のAMORの力で推し進めていこう! ……それが今の真情と意気込みです。「ただで読ませてもらっていいの?と感じています」という声の上がった先日の懇談会でもそうした話題になり、考え合いました。

現在、運営メンバーではそのような協力の受け皿づくりを始めているところです。今の思いをAMORの文字に重ねて記すと、「ああ、もっと、資金協力を受けたい」=「A(ああ)+M(もっと)+O(お金を)+R(レシーヴしたい)」というところです。「AMOR―陽だまりの丘」がより多くの人々のものに成長するために、ぜひ力を分けていただきたいと願っております。よろしくお願いいたします。

 


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