『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』


あなたは、公共図書館と聞いてどんな場所を思い描くでしょうか。私は基本、本は買うものと思っていますが、買うほどではないけれども、ちょっと読んでおきたい本や、必要に迫られてどんな本があるのかまずは探しにいく場所が図書館かと思っていました。ところが、今回ご紹介するドキュメンタリー映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を観ると、ニューヨーク公共図書館は、日本で私たちが考える図書館とはまったく異なったさまざまな機能を持っていることに大きな驚きを感じました。

ニューヨークに行ったことのない私には、ピンとこないのですが、ニューヨーク公共図書館は、世界中の図書館員のあこがれの存在だといわれています。また、ニューヨークの観光スポットとしても有名なところだそうです。この映画では、その図書館内でどんなことをしているのか、そして運営はどのように進められているのかがていねいに描かれています。

ドキュメンタリー映画の内容をつぶさに語る愚は避けますが、この映画、映画でなければ観ることのできない内部の話がたくさん出てきます。そして、図書館とはこんなこともできるのかとビックリすることもたくさん出てきます。日本ではあり得ないことがさまざま行われています。たとえば、一例を挙げると、まるでハローワークのような職業斡旋や貧困に喘いでいる人たちに住居を申し込む方法をレクチャーしていたり、デジタル時代に対応するために、家でインターネットに接続するための機器を貸し出したりと、驚くことばかりです。その上、まるでカルチャーセンターのようにさまざまな講習会も行われ、子どもたちのために講習も行われています。本当の教育がこの図書館の中にはありました。

運営に関しても、幹部たちが忌憚のない意見を交換し、話し合った上で進められているのが分かります。そして、このニューヨーク公共図書館の魅力が何なのかもこの映画を観ると、分かってきます。公共図書館としていながら、民間からの寄付でも成り立っているこの図書館の魅力はひとつではありません。さまざまな魅力が盛りだくさんに詰め込まれたこんな図書館がもし身近にあったら……と考えてしまうのは私だけではないと思います。

ぜひ、図書館の魅力を感じに映画館でご覧ください。きっと図書館に足を運びたくなるはずです。

(中村恵里香、ライター)

5月18日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー!

公式ホームページ:http://moviola.jp/nypl/

© 2017 EX LIBRIS Films LLC – All Rights Reserved
監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン
原題:Ex Libris – The New York Public Library|2017|アメリカ|3時間25分|DCP|カラー
字幕:武田理子 字幕協力:日本図書館協会国際交流事業委員会
配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ

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