特集93 心の中からミャンマーへ


ひとつの国を想うこと

今月のテーマは、ミャンマーです。広く、アジアの諸国・諸地域の歴史・風土・文化に視野を広げていこうという取り組みの新たな一歩です。もちろん、世界のすべての地域、国、人々に関心を向けていくという壮大な展望をもっていますが、アジア諸国はなによりも日本の歴史ともかかわりがあり、その振り返り、見直しの意図もこめて取り上げていきたいと思っています。

今回のミャンマーは近年までビルマとして知られ、名称としては親しまれてきた国のことです。この国の呼称変更自体、今のこの国の事情を示しています。この国が2021年2月1日の国軍によるクーデター以降、大きな危機と困難の中にあることは、おおよそは知られていると思いますが、その後のウクライナ事情の衝撃の中で、一般には陰に追いやられている面が見受けられます。

そのようななか、ミャンマーを兄弟姉妹の国としているのが、日本のカトリック東京大司教区です。ドイツのケルン大司教区との間で70年前に始まった友好関係が1970年代終わりから、当時のビルマの教会に向けられるようになり、以後、東京教区では、11月第3日曜日をビルマデー、今はミャンマーデーとされ、祈りと献金を続けています。とくに近年の情勢下、当地の子どもたちの教育支援に力が注がれています。そのようなかかわりがあることもあまり知られていない面がありますので、今回は、その経緯と現状について担当司祭のお話とともにお伝えします。

そして、この国の事情について専門の方に、解説と提言を寄せていただいています。併せて、ミャンマーの歴史、文化、現状を知るための参考書も紹介します。さらに、ミャンマーの人々とでの暮らしや文化を身近に感じ、その風土、歴史に想いを潜めるために、料理や映画の紹介も寄せてもらっています。興味津々なものばかりです。

日本人にとっては、ビルマ語/ミャンマー語はわかりにくく、文字も読めないということで、縁遠く感じられる方も多いかもしれません。でも、翻ってみれば、日本語もその文字も難しいこときわまりないでしょう。そのような国に関心を向けることで、日本人としての新たな自己理解の必要性が意識化され、その可能性が開かれていくように思います。固有かつ豊かな文化世界としてのミャンマーに対して、もっと、わたしたちの心の中からの学び、理解、共感をもって、幅広く粘り強い連帯を築けるよう、このAMORもかかわっていきたいと思います。

 

ヤンゴンの水かけ祭り(2016年4月)

『ビルマの竪琴(たてごと)』 から卒業しよう!―日本人に求められるミャンマーの文化と人々への等身大の理解

〈法の支配〉を求めて―国軍支配に抗うクーデター下のミャンマー国民

ビルマ料理の魅力

カトリック東京教区が続けているミャンマー支援~~担当司祭レオ・シューマカ神父に聞く~~

ミャンマー(ビルマ)の人々を描いた日本映画

ミャンマー映画

ビルマ/ミャンマーに関する入門的参考書10選

思い出のアルバム~~SIGNIS アジア ミャンマー大会(2016年)

 


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