白和えに学ぶ「平和」


マリア・キアラ(カトリック麹町 聖イグナチオ教会)

夕飯を食べながら、ニュースキャスターが「戦後78年」と読み上げる声をぼんやりと聞いていた。耳を覆いたくなるような事件や犯罪は日々起こっているけれど、それでも日本は平和だ。ロシアとウクライナの対立、アフガニスタンやシリアの紛争を思うと、平和な国に暮らしていることの幸せを噛み締めずにはいられない。

現在の日本の平和は、戦後の人々の、若い世代の私たちには想像もできないような忍耐と苦労によって築かれてきたことをあらためて思う。山上の説教の、「平和を実現する人々は幸いである」(マタイ5:9)というイエスの言葉を思い出しながら、小鉢の白和えを箸で口に運んだ。ほうれん草、人参、こんにゃく、しめじのそれぞれの食感や風味を、優しい味わいの豆腐の衣が一つにまとめている。出汁と醤油、ゴマと味噌の風味がふんわりと口中に拡がる。

平和って「和え物」みたいだな。「和える」って、平和の「和」かな。異なる食材同士が、それぞれの形を残しながら、それぞれの風味の魅力を引き出しあいながら一つになることで、より味わい深い料理になる。私たちも、一人一人の個性を尊重し、それぞれの国の文化や歴史に敬意を払いながら関わりあえたら、絶妙で調和のとれた「平和」をきっと実現できるに違いない。そんなことを思いながら味わう白和えは、いつもよりもっと心と身体に染みた。

 


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