時をかける絵本と私の想い


 千葉希代子(絵本セラピスト®

私が生まれ育ったところは、西武新宿線の下井草駅から徒歩20分くらいのところでした。

当時、駅の周りは家や建物も少なく、小麦畑やキャベツ畑があり、その先に教会の尖塔が見えておりました。その教会の前がわたしの家でした。

毎朝オルガン演奏と聖歌の歌声が聞こえ、修道会の神父様に遊んでもらうことがとても楽しかった夢のような時代を過ごしておりました。幼稚園は、カトリック井荻聖母幼稚園の2期生でした。幼稚園時代に、月刊絵本で購読していたのが、お話絵本の「チャイルドブック」(チャイルド社)と自然科学を題材にした「キンダーブック」(フレーベル館)という絵本でした。幼かった頃の私は、母のひざの上に座って一緒に絵をみてお話をしたりする母との時間が楽しみな子どもでした。「チャイルドブック」の月刊絵本に「犬のおまわりさん」という絵本がありました。このお話は、歌にもなっていたのでよく絵本といっしょに歌っていました。ストーリーは、迷子の子猫ちゃんのおうちを犬のおまわりさんが探すお話でした。

また、私が好きだった絵本に、日本昔話がありました。

特に『鉢かつぎ姫』(講談社月刊絵本)は、日本版のシンデレラストーリーのようなお話で、何度も繰り返し読んでもらった大好きな絵本でした。

2002年に『新・講談社の絵本』、日本の童話シリーズとして現代風にアレンジした作品に生まれ変わり、全20巻の中に『鉢かつぎ姫』のお話が入っておりました。

最近有名な月刊絵本としては、「こどものとも」(福音館書店)や「かがくのとも」(福音館書店)といった絵本が受け継がれていると思います。

時代とともに、印刷も紙質もよくなり、外国の翻訳絵本も多く見かける今日ですが、

今、日本で絵本は、年間約2000点(参考「出版指標年報2019年版」全国出版協会出版科学研究所)ほど刊行されています。

数多くの絵本の中から、絵本を2冊ご紹介したいと思います。。

『どうぞのいす』 
香山美子:作、絵/柿本孝造:絵、ひさかたチャイルド(全国学校図書館協議会剪定図書)

1冊目は、1981年11月に第1刷の絵本で、今から40年くらい前の絵本です。

1匹のうさぎさんが、ちいさな椅子をつくりました。

その椅子に「どうぞのいす」と書いたたてふだをたてました。

その椅子に、はじめてやってきたのはろばさん。

どんぐりを置いてひと眠りしてしまいます。

次にやってきたのは、くまさん。

くまさんはどんぐりを頂き、代わりに置いていったのは

はちみつでした。

次にやってくる動物さんの為に、みんな「何か」を置いていきます。

「どうぞ」の気持ちがつながっていく心あたたかなお話です。

 

『ℒ i fe ライフ』 
作/くすのきしげのり、絵/松本春野、瑞雲舎/2015年3月1日初版発行

夫を亡くしたおばあさんの喪失感から始まる物語。不用品の交換をする「店」を舞台に、街の人々が次々と訪れては、思いが託されたモノを受け取り、逆に小さなメッセージカードを添えて、自分の使わなくなったモノを置いていくお話。リレーのバトンのように、人々の間で思いが渡されていき、その思いは最後におばあさんに返ってくる物語。

冬の間、このお店にたくさんの人が訪れ、そして春になって、すてきな奇跡が起こりました。人は誰かとのかかわりの中で生きているのだ、ということを伝える感動の絵本。(出版社サイトより)

 

1冊目の絵本「どうぞのいす」から想うことは、子どもに読んで聞かせてあげたい絵本です。「どうぞ」という気持ちは、相手を思いやる気持ちから生まれ受け取る側は、相手へのリスペクトを持って感謝の心を持つものではないでしょうか。

2冊目の絵本「ℒife(ライフ)」は、多世代の方に読んでもらいたい絵本です。絵本を読み進めていくと深い感動の中に、それぞれの愛の形が見えてきます。

1冊目も2冊目も「私からあなたへの気持ちのリレー」が伝わってくる絵本です。

今回、この原稿を作成しながら感じたことは、絵本と過ごした時間を想い起こしていくことでした。絵本との出会いは、時代を超えて続いていく「心の時」だと想いました。どの時代の時間も「その時々」を生かされながら生きて、その時持った感性は絵本を通して再び蘇り、今の私に繋がっていた「心のリレー」でした。

今後も大切な絵本との「心の時」を過ごしていきたいと想います。

(ここでご紹介した絵本を購入したい方は、ぜひ絵本の画像をクリックしてください。購入サイトに移行します)


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