特集82 あなたにとって平和とは?


互いに目覚めているために

太平洋戦争終結から78年という時を数えています。まもなく80年。ベトナム戦争が激しかったころ、「戦争を知らない子どもたち」という自覚をもって叫びを上げた世代も高齢者の域に入りつつあります。その自覚はまだ親や親戚が戦争体験を実際にもっていたからこそ表現できたものでした。今、すでに戦後50年を経たころに生まれた世代が30代を迎え、この国と社会の責任をしっかりと引き受けつつあるときです。

このようななかで、「戦争」ということば、「平和」ということばから感じるものはそれぞれで大きく異なってきているに違いない、とくに「戦争」ということばとそのもとに想起される事柄については、と痛感されています。では、「平和」についてはどうなのだろう? 人類共通の希求、追い求めるべき絶対的価値であるはずの平和に対して、それぞれがどのように感じ、思い、アプローチしていけるだろう、その多様性と共通性を分かち合ってみよう、というのが今回の特集のテーマです。

おそらく大多数の人が戦争と平和についての意識、自分の心の中での位置づけを、深い傷をもって書き換えざるを得なくなったロシアによるウクライナ侵攻開始からすでに1年半が経過。また、このほかの国や地域でも内戦、紛争、緊張、威嚇……が絶えません。目を背けることができない、心痛む諸現実を前に、それでも、平和を求め、平和のために目覚めているために、その現実に恐れず目を向け、その背景にある事実の歴史を学ぶ姿勢が大切です。

もちろん、それは一人の力では限界のあること。たくさんの人の経験と思いと行動力と観察力を提供し合い、集め合い、分かち合うなかで、心に忍び寄る睡魔に負けることなく、“互いのほほをたたき合う”協働が重要です。そのような目覚めのための刺激を、今回の記事を通して、多くの方が受け取ってくださり、さらに「あなたにとって平和とは?」に応えて「わたし(たち)にとっての平和」について声を寄せていただけると幸いです。

 

すべての人よ、主をたたえよ

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