キリスト教にとってもっとも大切な祭りの一つ、復活祭は、今年2022年は4月17日です。この機会にあたって、復活祭とは、そもそもの何か?という問いかけに立ち返っています。
この問いかけは、現在の世界状況の中で、より切実なものに感じられてきます。日本にとって“隣国の隣国”ウクライナに対する隣国ロシアの軍事侵攻と虐殺行為が連日伝えられる中で迎える祭りとなっているからです。
権力者の力の発動の犠牲となっている人々のことを思い、暗澹とした気持ちに限りなく落ち込んでいくなかで、もしかしたら、キリストの受難と復活の証言がいっそう身近に感じられてくるのではないでしょうか。それが、絶望の中からの希望のあかしにほかならないことが、キリストの復活を記念する復活祭の形成の歴史から伝わってきます。
日本では、「復活祭」という言葉は、世間的にそれほど耳にすることはありません。復活祭を表す英語は「イースター」ですが、こちらのほうは、最近、あちらこちらでイベントの名前の一部として耳にするようにもなってきました。しかし、それでも、「クリスマス」と比べると、まだまだ影が薄いといえるのではないでしょうか。クリスマスについてはその神学的意味、教会的意味には届かなくても、イエスの誕生祭として認知されているのに対して、復活祭は、キリストの復活のことだといっても、ピンと来ないものなのでしょう。
なによりも「復活」が難しいのでしょうか。それだけでなく、復活祭そのものも謎に包まれているといえるかもしれません。その名前も、祝われ方も、それにまつわる習俗も、実に独特だといえるのです。欧米の習俗とともに、その一部は日本の教会にも伝わっていますが、それらも含めて、イエス・キリストの復活を祝う意味がもっと知られていってよいのではないか……そんなことを考えながら、さまざまな事実や歴史、情報に関心を注いでみたいと思います。
イースターはいつ祝われる? ――その日程をめぐる歴史について