復活祭になぜゆで卵とウサギ?


中村恵里香(ライター)

復活祭のミサに参列すると、カラフルにペイントされたゆで卵が配られます。なぜ、ゆで卵なのかずっと不思議に思っていました。また、最近はイースターバニーといってウサギグッズもよく見られます。イエス・キリストの復活を祝うときになぜウサギとゆで卵なのでしょうか。

まず教会で配られるゆで卵ですが、殻にカラフルにペイントされたものをイースターエッグといいます。日本では教会で配られるというイメージですが、海外ではちょっと違うようです。

イースターエッグは、飾るだけではなく、大人たちの隠したイースターエッグを子どもたちが探して集め、拾った数を競う「エッグハント」に使われるといいます。また、大きめのスプーンやお玉にのせて落とさずに走るエッグレースや、割れないように転がして遊ぶエッグロールに使用されることもあるそうです。

では、イースターバニーはというと、イースターエッグを運ぶウサギのキャラクターです。お菓子やおもちゃのプレゼントを持って来ることもあります。アメリカでは、子どもたちがイースター前にバスケットを用意し、前日に玄関先に置いておくと、まるでサンタクロースのように夜の間にイースターバニーがやってきて、イースターエッグと一緒にお菓子やおもちゃを入れてくれるのだそうです。

子どもたちが行うエッグハントのために、大人はイースターエッグを隠しますが、それをイースターバニーが運んできたと伝える国もあるそうです。 子どもたちが喜ぶ存在であることから、イースターバニーは幸せを運ぶウサギということになるようです。

では、なぜイースターエッグを運ぶのは、ウサギなのでしょうか。

よく言われているのは、ウサギは繁殖力が強く、多産なので、「生命力」や「繁栄」の象徴とされています。生命誕生の象徴である卵とともに復活祭のモチーフになったとも言われています。

しかし、聖書の中に記述があるでしょうか。また、昔からイースターにウサギが出てくるわけではありません。復活祭でイースターバニーが現れたのは16世紀頃のドイツといわれています。ドイツで定着してから世界に広まったそうです。起源は諸説あり、正確なことはわかりません。

では、イースターバニーはどのように生まれたのか、さまざまな説がありますが、今回は3つの説をご紹介します。

最も有力といわれているのは、ゲルマン神話の女神エオストレが関係しているというものです。エオストレは春と夜明けの女神です。イーストレとも呼ばれ、イースターの語源ともいわれています。ヨーロッパにキリスト教が広がった時、春分の日にエオストレを祝う習わしがあった地域にも伝わり、エオストレを祝う習わしと復活祭が一緒になったのではないか、と考えられています。このエオストレは多産の象徴である野ウサギを従えていたことが、イースターバニーの起源ではないかといわれています。

第2の説ですが、ルター派の復活祭では、イースターバニーは、子どもたちがよい行いをしていたか、悪い行いをしていたかをシーズンにはじめに判定する裁判官のような役割をしていたそうです。良い行いをした子どもにはイースターエッグやお菓子、おもちゃを配ったことから、やがてすべての子どもに配るようになったのではないかといわれています。

3つ目の説ですが、イースターバニーが誕生したドイツでは、現代までイースターエッグを運ぶのはウサギだけでなく、コウノトリやツル、キツネとさまざまな動物がいたそうです。戦後にチョコレートメーカーがウサギの形のチョコレートを販売するようになって、一気にウサギのイメージが定着したといわれています。

ドイツの一部の地域では今も、キツネや雄鶏が運んでくるとされているそうです。ほかにも、ウサギ以外の動物がイースターエッグを運ぶとされている国もあります。オーストラリアではウサギのように長い耳が特徴の有袋類、ビルビーが、スイスではカッコウがその役目を担う場合があるそうです。

さまざまな説があり、その起源は明確ではありませんが、ウサギが縁起がいいと判断されたようです。

 


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