2023年夏・英国の山旅 レイク・ディストリクトとスコットランド(5)


※前回の記事はこちらです。

古谷章

宿泊・食事について

最初にエジンバラに到着した日とその翌日のみ出発前に日本からブッキングコムから予約をしておいた。その後は現地で翌日、あるいは翌々日分の予約をやはりブッキングコムからした。同サイトで二人部屋が£100以下であることと、クチコミ評価の比較的高いことを基準に選んだ。B&Bやゲストハウス、ホテルと名はさまざまだが、結果として最も高い部屋が£95、安くて£64だった。£100以上の例外は大都市エジンバラの中心に近い学生用施設が1泊£109だった。

ケズウィックの落ち着いた街並み(第1回より)

いずれもバス・トイレ付で清潔であり快適に過ごすことができた(ケズウィックのゲストハウスだけはバス・トイレが別だったが問題はなかった)。古い建物でも水回りは新しく改装したらしいところが多く清潔だった。ただ一軒だけ問題のあったのは北の寒村、オルトベアのB&Bで、建物が売りに出ているうえに管理人も不在で、なんとなく不潔感があった。そして皮肉にもそこが最も高い£95の宿だった。

30年前にやはりレンタカーでスコットランドを旅した時は町の目立つところに観光案内所があり、そこで宿の予約をすることが多かった。あるいは道端に「(NO) VACANCY」と看板の出ている宿がよくあったので「飛び込み」で泊まったこともあった。しかし、インターネットの時代になったためか観光案内所もあまり見かけることはなくなってしまっていた。そのため事前に予約をしておかないと不安だった。

朝食付きの宿が多かったが、食堂で「ブリティッシュ・ブレックファースト」を供される施設と、部屋に食べきれないほどのパン、ジャム類、コーンフレークス、それに冷蔵庫の牛乳、ジュース、ヨーグルトなどが用意されている施設があった。この場合、それらの食材を使ってサンドイッチなどにして昼食用にすることができた。

食堂で供される場合はトーストやジャム、コーヒー、紅茶などのほか、卵、ベーコン、ソーセージ、ビーンズなどどこの施設も全くと言ってよいほど同じだった。特段の美味ではないが、もったいぶってサーブするのが英国流なのだろうか。

夕食は何度かレストランで食べたほかはスーパーなどで買って来たサンドイッチなどを部屋で食べることが多かった。残念なことに新鮮な野菜や果物を店で見ることはあまりなかった。レストランで食べると二人で£40近くかかってしまった。

 

道路・運転について

借りたのはセアットのクープラという2000ccかそれに近い排気量の車だった(車に説明書も入っていなかったので詳細は不明)。1500ccクラスの車を予約しておいたのだが、同料金でその車になった。日本ではまず見ることのない車だが、パワーはあり運転もしやすかった。

なお、ヨーロッパではマニュアル車が一般的でオートマ車はある程度の大きさ以上にしかないそうだ。慣れないマニュアル車は避けたかったので事前にインターネットで調べて予約をしておいた。

左側通行なのは良いのだが、交差点はラウンドアバウトと言われるロータリー形式が多い。最初は緊張したが、特にロータリーのところではカーナビの案内が丁寧になるので助かった。

道路の制限速度は日本の田舎の県道レベルの道でさえ町を外れると時速60マイル(96km)が普通だった。とてもそのスピードを出す気にはなれないことが多かったので、追いつかれた場合にはすぐに道を譲ることにした。抜いて行くのはベンツとBMWが多かったように感じた。高速道路の制限速度は70マイル(112km)だったがここでも控えめに運転した。高速道路が無料というのはうれしかった。

セアットのクープラ(第4回より)

一方、通行量の少ない山の中などでは文字通りの一車線の細い道で、制限は30マイル(48km)ほどだった。そして所々に「PASSING PLACE」と道標のある、車のすれ違えるよう膨らんだ個所があった。運転者は皆マナーよく譲り合い、そこで待ってすれ違っていた。

また驚いたことに山の中では「BLIND SUMMIT」と警告看板の出ている、頂点では全く先の見えなくなる急な登り坂が随所にあった。日本の道路構造令では絶対に許されないような怖い作りだったのであまり気持ちの良いものではなかった。

今回走ったイングランド北部とスコットランドでは大都市のエジンバラ、グラスゴー、アバディーン以外の道路はどこも空いていた。道路工事で通行止めになり住宅地の中を迂回せざるをえなくなった一度を除いて「渋滞」にはまることは全くなかった。

51年前に一人で英国内を旅行した時はほとんどヒッチハイクだった。他にもヒッチハイカーは多かった。しかし、今回は道端でヒッチハイカーを見ることは皆無だった。乗せてもらう方も乗せる方も治安に不安があるということだろう。

 

登山・ハイキングについて

「登山」と言えるのはスカフェロパイクとケアンゴームの二つだけで、それも丸一日かかるほどでもない日帰りだった。しかし、日本とは大きく異なるU字谷の地形やヒースの茂る山肌の植生の中を歩くのは面白いものだった。

スケルボ・トレイルの入り口(第3回より)

そしてそれ以上に印象に残ったのは、いたる所に整備されているハイキングコースの存在だった。道路から少し脇に入ったところにある駐車場を起点とした場合や、町のはずれから町の周囲の林の中を歩くようになっている場合があった。そして「30分コース」「1時間コース」「3時間コース」というようにいくつかのトレイルが整備されているところもあった。

他にも歩いている人を見かけることが多く、中には犬を連れている人も多かった。そういうところを歩くことは英国人の生活に密着しているように感じられた。

今回は短いコースしか歩かなかったが、国中いたる所にハイキングコースとなる「パブリックフットパス」と称する歩道が整備されていて、中には1週間や1か月かけて歩くことができるものもある。かつて歩いたスペインの「巡礼の道」などとは違った楽しさがありそうだ。

(了)

 


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