パーフェクト・レボリューション


私は常々障害者と健常者の違いは何だろうと考えていました。それは中学生時代から経験したボランティア活動から感じていたものでした。身体や心に不自由を抱えている人を障害者と呼ぶことに違和感を感じていました。障害者を特別視する事なく、ともに歩む社会を作ることはできないのでしょうか。そんな若い頃から考えていたことがふと頭をよぎる映画『パーフェクトレボリューション』をご紹介します。

手足を自由に使えない重度の身体障害を抱えるクマ(リリー・フランキー)は、障害者の持つ性の悩みを世の中に伝えています。そんなクマが、講演会で、ピンクの髪に蛍光色の服を着たミツ(清野菜名)に出会います。クマの講演を聞いたミツは、講演会の後からクマに猛アプローチをかけますが、クマは、戸惑いながらミツの誘いを断り講演会をあとにします。

ある日、クマが収録をしていると、スタッフに紛れたミツが現れます。驚くクマに対して、ミツのアタックは止まりません。その夜、ミツはようやくクマとご飯を食べに行くことになりますが、楽しく話をしているところに、クマに酔っ払いが絡んできて、ミツが周りを巻き込んでの喧嘩を始めてしまいます。

お店に謝りながら出てきたクマは、うな垂れているミツの元に近づきます。やってしまったことを反省しているミツですが、クマがスッキリしたと言うと元気を取り戻します。落ち着いたところで帰ろうとするクマですが、段差があって進むことができません。クマが立ち往生していると、ミツが走って向かってきて、勢いよく車椅子に飛び乗って段差を超え、レバーを操作して進んでいきます。そして2人は、車椅子のドライブを楽しみながら、夜の公園へと消えて行きます。

親のような存在の晶子(余貴美子)にクマのことを伝えるミツは、クマのことを占って欲しいと願います。しかし、晶子はミツに、自分にも人格障害があることを分かっているのかと問いただします。それに対してミツは、怒り出し、机の物を投げ出して暴れ始めます。慣れた手つきでミツを静止する晶子は、クマのことを占い始め、ミツは落ち着きを取り戻していきます。

検診のため病院に来ているクマは、身体の状態はあまり良くないと伝えられます。病室を出ると、付き添いで来ていたミツが待っています。帰り道、クマの気持ちとは裏腹に、駅まで競争をして正式に付き合うかどうかを決めることになります。近道をしようとするクマですが、散々な目にあい、ミツとの競争に負け、正式に付き合うことになります。

ミツはご飯を作ったり、着替えを手伝ったりと、一生懸命クマを支えようとします。夜にはクラブで一緒に踊り、その帰りにはホテルにも行って、2人の幸せな時間を過ごします。ある夜、クマを長年介護するエリ(小池栄子)と3人で、ご飯を食べることになりました。2人の関係を伝えると、エリは嬉しそうに祝福します。

3人での楽しい時間を過ごしたクマは、2人が帰った後にタバコを消そうとして、車椅子から落ちてしまいます。床で頭を打ち、血が流してしまいますが、身体の自由が効かないクマは、助けを呼ぶこともできません。近くにあった棒で必死に携帯を床に落とし、気を失ってしまいます。目を覚ますと病院のベッドで横になっていました。

晶子は、ミツを連れてタクシーで駆けつけますが、ミツは降りようとしません。エリと晶子に無理やり降ろされ、重い足取りで病室まで行くと、元気そうなクマの顔を確認します。すると、ベッドへと走っていき抱きつきます。心から心配したミツは、クマのほっぺを叩く。ミツは帰り際、エリと2人で話をしますが、話の途中でエリの言葉に怒ったミツは、走り去って行ってしまいます。

無事に退院したクマは、ミツと共にに父の葬儀へ向かいます。周りは礼服を着ている中、ミツはいつもの派手な服でいます。夜になると親戚一同が集まり、ミツも一緒にご飯を食べながら話をしますが、次第にクマへと話題が移り、その話を聞いていたミツは寿司を投げつけ、部屋を出ていってしまいます。

ある日のお昼、クマとエリは晶子からミツの過去や人格障害になった経緯を知ることになります。そして、この話を伝えた晶子は、ミツにとって最善の選択をしてほしいとクマに伝えます。

クマとミツは、以前からあったテレビの密着取材を受けますが、クマのイメージしていた取材とは違い不信感を持つものとなります。一方、ミツは嬉しそうに取材を受けています。取材後2人でスタッフを見送り、部屋に戻る途中で言い合いになります。

買い物を終えたエリ夫婦がケンカに気づき、エリが止めようとミツを掴むと、ミツはエリを押し倒し、割れたビンを喉に突きつけ、激しく罵倒し始めます。それを見たエリの旦那の悟(岡山天音)は、ミツを突き飛ばし、馬乗りになって叩きます。静止するエリの声で我に帰る悟と、地面で泣きじゃくるミツ。クマがみんなに帰るように言います。

夜になり、押入れの中に閉じこもっていたミツが出てくると、クマに話し掛けながらカッターナイフを手に取ります。カッターナイフの刃を出し、手首に当てます。それを静止しようとクマがミツの名前を叫びますが、ミツは手首を切ってしまい、ミツはそのまま倒れ込んでしまいます。

病院の待合室にいるクマの元にエリが到着し、ミツの容体を確認します。大丈夫だと知って安心したエリは、これからのミツとの関係ついて考えるようクマに伝えます。自分で別れることができなければ、接触禁止という方法があることも伝えるのでした。

クマが病室に入り呼びかけると、ミツは目を覚まします。夢を見ていたミツは、その内容をクマに話し始め、クマはそれに優しく答えます。クマとエリが自宅に戻ると、取材スタッフが待っていました。しかしクマは、ありもしない嘘を言い始め、ミツが死んだと伝えます。エリは横で楽しそうに、その話を聞いているのでした。

エリの車で海へと向かった3人は、花火やBBQを存分に楽しみ、片付けをしている時にはエリとミツは仲直りします。その夜、ミツとクマはベッドで見つめ合いながら、幸せな時間を過ごします。夢を見たミツは目を覚まし、不安な表情を浮かべます。

ミツは朝起きると、クマと散歩へ出かけていきます。そして、車椅子を引きながら海へと向かい、クマが呼んでも、ミツが止まることはありません。クマの足が海についた瞬間、ミツはクマを抱きしめて海の中へと飛び込んで行きます。

エリがクマを抱きかかえ、海の中から引きずり出しますが、ミツは、再びクマを海の中へと連れて行こうとします。エリがそれを振り払います。

ミツの語る革命の行方はどうなったのか、そして2人結ばれることはないのか、周囲の反応は……。ぜひ作品をご覧ください。

この作品は、障害を持った2人の恋についてがメインのように語られますが、冒頭で述べたように、障害者と健常者と分ける必要があるのでしょうか。確かに障害者の方々には生活への手助けが必要です。あえて誤解されることをいとわずにいわせてもらえれば、健常者と障害者という垣根を作ることが本当に必要なのかと私は考えています。健常者といわれる私たちもなにがしかの荷を負っていると考えるならば、障害者を特別な目で見ることなく、共に生きる人としてみることはできないか、それを訴えている部分もある作品のように思いました。

中村恵里香(ライター)


公式サイト:http://perfect-revolution.jp/

スタッフ:監督・脚本:松本准平/原作:熊篠慶彦

キャスト:リリー・フランキー、清野菜名、小池栄子、岡山天音、余貴美子、石川恋

2017年製作/117分/PG12/日本/配給:東北新社

©2017「パーフェクト・レボリューション」製作委員会


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