クリスマス・カンパニー


クリスマスといえばサンタクロースをイメージしませんか? 子どもの頃、サンタクロースのもってきてくれるプレゼントを心待ちにした人も多いはず。かくいう私もその一人で、サンタクロースに手紙を書くのも心躍るものでした。

そんなサンタクロースを主人公にした映画『クリスマス・カンパニー』をご紹介します。

クリスマスを間近に控えた12月20日、サンタクロース(アラン・シャバ)率いるプレゼント製作工場では、サンタクロースの指示のもと、プレゼントを急ピッチで作っていました。しかし、9万2000人いるエルフの長が倒れると、全員が一斉に倒れてしまいます。このままではプレゼントを楽しみにしている子どもたちの元に届けられません。サンタクロースの妻ワンダが古い記録を調べ、エルフを治療するためには、ビタミンCを多く含む“カカドゥプラム”があれば治るとあるというので、妻と離れるのが嫌だとか、人と会うのが嫌だとか言っていたサンタクロースも渋々トナカイの曵くソリに乗って、オーストラリアに向かいますが、悪天候による乱気流に巻き込まれ、フランスのパリに不時着してしまいます。

急きょ計画を変更し、薬局に行ったサンタクロースは、ビタミンCのサプリメントを手に入れようとしますが、不審者と勘違いされ、もみ合いになり、警察に連行されてしまいます。

牢に入れられたサンタクロースは、そこにいた女性のもっていたさいころ2つを貰い受け、さいころを振り、ぞろ目を出すことで、壁を通り抜け、警察署から抜け出します。すると、そこへ警察で弁護を引き受けるといってくれた弁護士のトマ(ピオ・マルマイ)が家に帰る姿を見つけ、急いでソリに乗り、トマの家の屋上に乗りつけます。

トマの家に入ったサンタクロースは、あっさりトマとその家族に見つかってしまいます。ソリやトナカイを実際に見ることで、本物のサンタクロースと気がついたトマ一家は、サンタクロースの求めるビタミンCのサプリメントを大量に集めていきます。

さて、このあとは観てのお楽しみです。トマ一家とサンタクロースは、ビタミンCを集められるのか、そしてエルフは再び立ち上がれるのか、そして世界中で待っている子どもたちへのクリスマスのプレゼントは間に合うのか、見どころ満載です。

この映画、日本では公開されていません。フランスでは公開当時、かなり評判だったそうです。人間嫌いのサンタクロースという設定も面白く、人間社会の仕組みをまったく知らないサンタクロースというのも、奇想天外です。そんな中にクリスマスというのに、地球温暖化の影響で雪が降らないという話や、人間社会への風刺もたっぷり効いていて、十分に楽しめます。ぜひDVDを借りてみてください。

(中村恵里香/ライター)

製作国:フランス、ベルギー/原題:Santa & Cie(英題:Christmas & Co.)/製作年:2017/上映時間:100分/配給:クロックワークス、レイティング

スタッフ:監督・脚本:アラン・シャバ/製作:アラン・ゴールドマン/撮影:アントワーヌ・サニエ/         美術:ジャン=フィリップ・モロー  /衣装:オリヴィエ・ベリオ/編集:グレゴワール・シヴァン/音楽:マチュー・ゴネ

出演:アラン・シャバ、ゴルシフテ・ファラハニ、ピオ・マルマイ、ブリュノ・サンシェ、ルイーズ・シャバ 、ダヴィ・マルセ、グレゴワール・リュディグ、オドレイ・トトゥ


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