1974年3月、大学3年生だった私は、日本に帰還した小野田寛郎(51歳)さんをテレビのニュースで見ていた。「まだ日本兵が生きていたんだ」という驚きと共に「なぜ戦後30年近くも経って現れたのか」が不思議だった。 それからは Continue reading
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白球を追いかけた選手たちは硝煙のなかに消えていった
鵜飼清(評論家) 大リーグの大谷翔平選手が話題になっている。投手と打者の二刀流での活躍は目を見張るものがある。二刀流で比較されるベーブ・ルースは、日本にはなじみ深い選手である。それは、日本でプロ野球が生まれるきっかけとも Continue reading
余白のパンセ 8 愛犬ピコ
子どものころに動物と遊んだことのある人は、大人になってからその当時のできごとをどのように思い出すのでしょうか。 井上洋治神父は小学校3年くらいのときに体験した子猫とのことを書かれています。その猫は「アカ」と Continue reading
『祈り―幻に長崎を想う刻(とき)―』
1945年8月9日午前11時02分、長崎市では原爆投下によって人口24万人のうちおよそ7万4000人が一瞬にして命を失った。 この映画の物語は、原爆投下から12年後、1957年の冬の長崎からはじまる。 被爆 Continue reading
お終活―熟春!人生、百年時代の過ごし方
人生、百年時代と言われるそうだ。平均寿命の延びにはすごいものがある。寿命が延びたと言っても、これは「健康寿命」を延ばしていないと話が続かない。夫婦のどちらかが寝たきりで、介護をしながらの余生とは違う。 この映画の主人公た Continue reading
サントリーの広告から読み取れること
新型コロナウイルスの感染症が拡大し、「緊急事態宣言」が発出されている。ゴールデンウイークも、自粛期間で終わり、まだ宣言は延長されている。 飲食の場が感染する確率が高いとされ、特に「酒」を飲むことがいけないとされた。酒を飲 Continue reading
余白のパンセ 7 イエスの微笑につつまれて
鵜飼清(評論家) 鶴見俊輔さんは、漫画が大好きで、漫画について独自の評論を書かれています。幼い頃に、漫画によってこころが救われたという経験を持っているからということのようで、その漫画への愛着は一つの思想となって残されてい Continue reading
余白のパンセ 6 思い出のプラットホーム――井上洋治神父の姿と本郷での出版人生を追いながら
鵜飼清(評論家) JR飯田橋駅のプラットホームのベンチに、井上洋治神父が腰を下していたという1975年のある日の午後。井上神父は、北洋社という出版社の社長さんに会うために待っていたといいます。 「日本人の心情でとらえたイ Continue reading
博士と狂人
1928年の第一版刊行まで実に70年以上を費やした世界最高峰の辞典『オックスフォード英語大辞典』通称OED。 このOEDの誕生秘話をドラマチックに描いたノンフィクション本『博士と狂人―世界最高峰の辞書OEDの誕生秘話』が Continue reading
『ある画家の数奇な運命』ーーフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督
現代美術界の巨匠であり、ドイツ最高峰の画家、ゲルハルト・リヒターをモデルにした映画である。監督のドナースマルクは、リヒター自身の著書や伝記に魅せられて映画化したという。映画ではリヒターがクルトになって描かれている。 映画 Continue reading