『評伝 アドルフ・フォン・ハルナック』

クルト・ノヴァク『評伝 アドルフ・フォン・ハルナック』加納和寛訳、関西学院大学出版会、2022年、4180円。 19世紀ドイツ・プロテスタント神学の代表者の一人であるアドルフ・フォン・ハルナックが正当に再評価されたのは、 Continue reading


ノー・アザー・ランド 故郷は他にない

2023年10月、パレスチナのガザ地区に侵攻したイスラエルのニュースを世界中に駆け巡ったとき、ほとんどそれまでイスラエルとパレスチナがどのような関係になっているかよくわかっていませんでした。なぜ、イスラエルは、パレスチナ Continue reading


『教皇選挙』

中村恵里香(ライター) 世界最大の宗教と言われるカトリックの世界は、教皇を頂点とするヒエラルキーで形作られていると言われています。その教皇を選ぶ “コンクラーベ(教皇選挙)” は、これまでにもさまざまな形で映画にされてき Continue reading


「ウルトラマン」から「讃美歌」まで−−追悼:蒔田尚昊

松橋輝子(音楽学)  「ガリラヤの風かおる丘で」をご存知の方は多いだろう。この曲を作詞作曲したのは、映像音楽や讃美歌、合唱曲などを多く手掛けた蒔田尚昊(別名;冬木 透)である。日本の映像音楽、そして現代音楽に大きな功績を Continue reading


酒は皆さんとともに

エライジャ・クレイグ

世界各地でウィスキーは作られていますが、特に、スコットランド、アイルランド、カナダ、アメリカ合衆国、そして日本は五大ウィスキーの産地と呼ばれています。中でも、スコットランドのスコッチとアメリカ合衆国のバーボンは、ウィスキ Continue reading


縄文時代のイキイキ生活 ⑤中里貝塚は聖地だったか?

森 裕行(縄文小説家) 小林一茶(1763-1828)が次の句を残している。 「深川や蛎殻山(かきがらやま)の秋の月」(1821) 晩年の句でありながら、代表的な句の一つに数えられている。ただ、この蛎殻山とは何を指してい Continue reading


雪の花 ―ともに在りて―

現代は、医療が発展し、死に至る病はほとんどないといわれていますが、2020年中国で見つかったコロナウイルスによって私たち現代人もウイルスによる罹患の恐ろしさを体験しました。そんなことをふと思い出し、流行病に敢然と向かい合 Continue reading


『TOUCH/タッチ』

ある年齢になると、自分の人生を振り返り、何かやり残したことはないかと考えるといいます。死は必ずどんな人にもやってきます。死を意識するようになると、人生を振り返るものなのかもしれません。ふと、そんな時私はどうするのだろうか Continue reading


縄文時代のイキイキ生活 ④子抱き土偶を俯瞰して観る

森 裕行(縄文小説家) 私は生まれてすぐに大田区の羽田飛行場の近くで両親と一年くらい住んだ。もちろん記憶はないが、大森周辺にはとても親しみを覚える。そこには有名な大森貝塚があり、日本の考古学の父ともいえるE.S.モースに Continue reading


『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』

谷川俊太郎氏が11月13日にお亡くなりになりました。谷川さんの映画『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』が公開されたのは2014年でしたが、その際に、この映画の監督・杉本信昭さんに『なごやか』という雑誌でインタビューし Continue reading