特集59 この国の戦争の記憶と“平和”の記憶


76年後の9月に

この国の8月~9月はなんといっても、戦争の記憶、そして平和への再出発の歴史をよみがえらせる季節です。広島(8月6日)、長崎(8月9日)への原爆投下、ポツダム宣言の受諾(8月14日)、終戦の詔書の放送(8月15日)、連合国総司令部の設置(8月28日)、降伏文書調印(9月2日)……戦争の終結と占領政策の開始、その推移と背景にあるものを、今のこの国の新たな誕生の歴史として見つめ直していく営みが、さまざまな観点から重要になっています。

また、「戦後レジームからの脱却」「憲法改正」が語られる今こそ、あの戦争の事実と、そこに至る日本と世界の近現代史をすべて洗い直し、冷静な考察を深めることが喫緊の課題となっています。そして、戦後76年を経た今、戦争の記憶の継承努力とともに、「戦後」と呼ばれる時代と体制、そこに成立してきた“平和”を根底から見つめ直すことも必要です。戦後生まれの世代にとって自明の環境と思われてきた“平和”の背景にある世界政治、国際関係の推移、そして、“平和”の根底にある幾多の犠牲を知ることは、深い自己知覚を呼び起こし、自分の殻を破る行動のきっかけとなっていくに違いありません。

戦後世代ではあっても、それぞれのファミリー・ヒストリーの中に戦争の記憶を宿しているこの国に人間として、一人ひとりが戦争と“平和”について語ること、語り継ぐことが、真の平和への一押しになっていくのではないでしょうか。今回のそれぞれの寄稿も、それに向けて、わたしたちの肝を突ついてくるものです。

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」……照らしと励ましに満ちた主の福音に応えるため、戦争の時代を生きたことのあかしとなり、分かち合いとなる“語り”の場に、このウェブマガジンが、なっていけたらと願っています。

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戦争のため息

白球を追いかけた選手たちは硝煙のなかに消えていった

夏休みに戦争と平和の授業を続けて―清泉女学院中学高等学校での実践―(2021年9月23日追記あり)

「忘れ得ぬ人たち」~ヒバクシャとの出会いと「語り」から~

 


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