聖バレンタインデーの思い出


あき(カトリック横浜教区信徒)

2月14日になると若い男性がそわそわする?かどうかは別として、日本では声をかけにくい好きな男性にチョコレートを送る習慣が定着してしまいました。
ヨーロッパから広まった風習です。
カトリックでは、史実に明確でない2月14日の「ウァレンティヌスの記念日」は取り除かれたようですが、一般に恋人や家族など大切な人に贈り物を贈る習わしが、日本ではチョコレートの販売促進によってうまく新しい文化として定着しました。

1960年代、わたしが小学校のころ、クラスの女の子が気になる男の子になんか渡すのを見て、初めて新しい文化を知った次第。残念ながら私には、この新しい文化は届きませんでした。(笑)
学年が進むうちに、手作りのチョコや高級なチョコのプレゼントが広がってきたようです。高校時代、わたしの弟は背が高く見栄えが良かったようで、通学の電車の中でチョコレートをたくさんもらったと、自慢げに私に分けてくれました。なんか切ないような割り切れない気持ちを今でも覚えています。

その後会社に入り、「義理チョコ」なんて言うのがはやりました。
高価な義理チョコを配る女性軍。
わたしたちもてない男性軍は、「何をお返ししよう」と皆でお金を集めて悩みました。

「義理チョコ」「逆チョコ」「友チョコ」「自分チョコ」

日本で独自の進化を遂げた聖バレンタインデーですが、本来であれば家族や恋人同士、日頃の感謝を形にして贈るものだそうです。もてなかった私としては、日本も本来の形になったらいいなと思います。

ひとつ思いだしたことがあります。
青春時代一度だけの忘れられない思い出。
会社に入って一年目。訳も分からず先輩について怒られながら徹夜で仕事をしていた日々。ある時、机の上に「Aware With Me」とメモがついたチョコレートが1箱乗っていました。
「わたしに気づいて」という意味だったのでしょうか。正しい英訳なのかわかりませんが、40年以上経ったいまでもしっかり記憶に残っています。英語の苦手で鈍感なわたしは気付くことはありませんでしたが、今でも心に残っているエピソードです。
ちょっと甘酸っぱい思い出です。

別の話。
(あやふやな記憶ですが)仕事でベトナムに数年滞在していたとき、確かバレンタインだったと思うのですが、学校の先生に子供たちが感謝の気持ちとして花束を贈っていたのを記憶しています。微笑ましい光景でした。

ある日の事。
仕事で遅くなって帰ったとき、妻は先に寝ていました。
リビングのテーブルを見ると、小さなチョコレートの箱が一つ。
コンビニエンスストアでも、よく売っている
アーモンドの入ったチョコレート。
これは「本命チョコ」なのか「義理チョコ」なのか。。。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

twenty − eighteen =