古谷章・古谷雅子
9月15日(木) 巡礼第1日目 晴・曇 強風 <行程26km>
サン・ジャン・ピエ・ド・ポー~ロンセスバジェス
朝6時過ぎに起きて、同宿の5人と簡単な朝食を食べて出発。今日は標高200mのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから標高1430mの国境の峠越えだ。まだ日の出前だが、月明かりで明るいうえ、道ははっきりしているのでコースを間違えることはない。背後の朝焼けがきれいで、天気は何とか持ちそうだ。8時ころに太陽が出て明るくなったが、風があり気温も低いのでウインドブレーカー代わりに雨具を羽織っての行動だ。
途中前後して歩くことになったアメリカ人の元気な高年女性は、ここから最後のサンティアゴ・デ・コンポステーラまで全行程のホテルを予約してあり、荷物も毎日ホテルまで輸送してもらうそうだ。最近はこのようなサービスを受けている人が結構いるように思われた。またこの人とはこの後何度も会うことになった。
草に覆われたピレネーのなだらかで壮大な山並みは言葉に言い表せない美しさだ。昨年はアンドラ最高峰のコマペドロサに登り、ピレネー上部は岩稜というイメージだったが、巡礼路は地形の弱点をうまく越えていく。しかし標高が上がるにつれ風はますます強くなり、冬富士もかくやと思うほどだ。寒く、手袋も初日から出番となった。吹き曝しで隠れるところもない。厳しい天候のため、毎年死者も出るほど遭難が多いそうだ。稜線近くに小さな避難小屋があったが、開けると人がぎっしり立っていて入れなかった。
200人近くが泊まれる大きなアルベルゲの外観は石造りで古く感じるが、中は新しく清潔でシャワーや洗濯施設なども整っていた。寝室はちょうど寝台列車のように2段ベッドが2台ずつのコーナーが並んでいた。
シャワーを浴び夕食までのひと時、バルで小腹を満たし、「金冠のマリア」と美しいステンドグラスで有名な教会にも行ってみた。昔のアルベルゲが歴史的建造物として保存されていた。秋色の景色が美しい。
夕食では、この後も多くがそうであるように、一皿目がスープかパスタかサラダ、二皿目は肉か魚からのチョイス、デザート。そして当然のごとく2人に1本のワインが供された。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポー 6:50 ~ オリソン 9:00/10 ~ トリバルトの十字架 11:27 ~ 国境 11:39 ~ ローランの泉 11:55/12:00 ~ 分岐 1:50 ~ ロンセスバジェス 2:05