今年もクリスマスがやってきました。しかし、教会は、いつもと違う面持ちで「主の降誕」を迎えています。いうまでもなく、それは今年の状況のゆえ……。「第三波」といわれ、連日のごとく数値と医療崩壊の危機が叫ばれる全国の実情。あんなにたくさんの人に、「ぜひクリスマスは教会に!」と喧伝してきたところが、「今年は、すみません、所属信徒だけしか来られません。しかも事前申込制です!」と言わざるを得ない状況。一人ひとり、どこにいても、立場や程度や様相はさまざまであれ、なにか鬱屈したものを抱えながら、迎えるクリスマス、そして年末年始となっているのではないでしょうか。
マガジンとして、いつもは避けるわけにいかないだろうと、やや消極的な心境から入るクリスマス特集なのですが、今年は、むしろ、ある種ギリギリの中から希望の光をたぐり寄せたい、もし射し昇るなら、そこにすがりつきたい、という切実な待望意識の中で主題を探りました。教会で親密に集い、盛大に歌って祝うということができないという思いもありつつ、それでも負けずに、それぞれの住まいや仲間・家族の中で、リモート方式にでも、精一杯祝おうと思っているわたしたちなのではないでしょうか。
「闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた」
降誕・夜半のミサの第1朗読、イザヤの預言(9・1~3、5~6)の第一声が心にずんと響きます。
この光の輝きのさまざまな姿を分かち合いたいと、AMORでは、つねづね、クリスマスの体験、思い出、現状などについて皆さんのことばやメッセージを集めていきたいと思っています。今回は、海外、とくにアジアの諸国、ベトナム、シンガポール、パキスタンのクリスマス模様が伝えられています。とかくヨーロッパとの対比だけで自分たちのことを考えがちな、日本の教会や社会の中で、自分たちがそこに位置するアジア世界に目を開くことは大切な視点だと学ばされる、貴重なレポート、写真の数々。ぜひ、ご注目ください。加えて、日本の世相の移り変わりの中での「クリスマス」を考察した一書を紹介しながら、キリスト教と日本の関係も含めて、少しでも考えを進めてみたいと思います。
皆様にとって、このクリスマスが、祝福と喜びを運ぶもの、そして新年に向けて新たな力を呼び起こしてくれるものとなっていきますように。
Happy Birthday, Jesus! ~我が家で祝うクリスマス in 2020~
クリスマスのふれあい(2020年12月20日追加)
世相史に漂う「クリスマス」――日本とキリスト教の関係を考えさえる一書に寄せて(2020年12月20日追加)