詩人とは、見者である。多くの人々が通り過ぎてゆく風景にふと立ち止まり、風の囁きに耳を澄まし、詩(うた)を紡ぐ。それは本来、誰もがもつ視力であるが、大人になるにつれて、忘れられてゆく。詩人は日常に隠れた神と対話する。自分でも気づかぬうちに、手にしたペンは走り出す。詩人は時に、〈神〉という言葉を使わず、〈神〉を運ぶ。そして、詩集という本の中から語るだろう。誰もの中に、目には見えない宝が宿っていることを。
(服部 剛)
※今回の詩は、末森英機著『光の礫、音の楔』(港の人)に掲載されています。
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