防災こぼれ話④ 防災庁設置の意義について


岡村光章(詩人)

2011(平成23)年、東日本大震災が発生した際、被害状況の調査、確認のため、ヘリコプターの空撮による作業が行われた。

 ヘリコプターは、消防庁、警察庁及び自衛隊によるものであったが、事前に相互調整しなかったため、同じ地域に同時に複数のヘリコプターが飛来することとなってしまった。

 省庁縦割りの弊害ともいえるが、ずいぶんと非効率なことをしたものである。

 当時の民主党政権は、このような事態を避けるため、緊急事態(危機)管理に関する常設の総合的一元的な行政機関であるアメリカの連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency:FEMA)の日本版創設について、アメリカの専門家を交えて議論していたが、わが国の体制にはそぐわない等の理由で見送られた。

 今回、各省庁に勧告権を持つ「防災庁」が今年11月に設置することが閣議決定した。

 現在、内閣府には防災担当の部門があるが、これを格上げし、専任の閣僚を置き、副大臣と政務官も配置する。

 平時の防災策から、災害対応、復旧・復興まで一貫して統制するそうである。

 災害時においては、国・地方自治体、民間企業等による全国規模の協力体制が必須となる。

 FEMAは、その体制の計画策定に関与しており、用語の統一すら図っている。

 今回、防災庁の設置による、今はヘリコプターだけではなく、ドローンによる調査もありうるであろうが、防災庁の勧告権に基づく総合調整により、偏らない効率的な空撮による調査が可能になるはずである。

 日本版FEMAの創設は、省庁縦割りを基本とするわが国の中央省庁の在り方からして困難ではあるが、勧告権を持つ防災庁の設置により、機能的には同じ効果が生じると期待できると考えられる。


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