突然始まったイースターエッグ


中村恵里香(ライター)

もう50数年前のことになりますが、復活祭のミサの後、1人一つという制約はありましたが、色のついたセロファンに包まれたゆで卵が配られました。中を開けると白いゆで卵です。子どもミサの後、日曜学校の時間の最中にそこにあった水性絵の具で色づけをして遊んだのを覚えています。

翌年、枝の主日の日曜学校では、たくさんの絵の具とゆで卵が用意されていました。まずゆで卵を水色やピンク、黄色などの絵の具を溶いた水につけ、それを乾かしてからさまざまな絵を描くという工程です。最初はどんなものを描いていいかわからなかった私たちは、星を描いたり、丸や三角などの幾何学模様を描いたり遠慮がちに行っていましたが、徐々に素朴な花や鳥、蝶、虫など、それぞれが思い思いに描いていきました。

しかし、初めてセロファンに包まれたゆで卵を配られたときには、なぜゆで卵なのかという疑問がわきましたが、そのとき質問したシスターからは明確な返事をもらえなかったように思います。今でもなぜ復活祭にゆで卵なのかよくわかっていませんが、ゆで卵に絵を描くという作業は、なぜかとても楽しかった思い出となっています。

 


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