古谷章・古谷雅子
9月25日(日)第11日目 晴 <行程24.5km/累計277.0km>
ビジャフランカ・モンテ・デ・オカ~カルデニュエラ・リオピコ
6時過ぎに出発したが、真っ暗な中の山道の登りなのでゆっくりと慎重に歩いた。かつては山越えの難所だったそうだが、近年は道がよくなったので1時間でバルブエナ峠に着くことができた。峠にはフランコの時代の犠牲者の慰霊碑が建っていたが、まだ暗いのでよく見ることができなかったのは残念だった。
その後の下り道は舗装こそしていないが、幅が20mはあろうかというほどに広くて不思議だった。そのあちこちに路上に小石を並べたメッセージや、木の枝には輪切りにした木の断面にメッセージを書いた絵馬のようなオーナメントがぶら下がっていた。そして、アカマツやミズナラの林が続いているところをどんどん下った。
山道を下りきり、サン・ファン・デ・オルテガに着いたところで、バルに入って朝食にした。その後も下り気味の道を順調に歩いて先史時代の遺跡のあることで有名なアタプエルタに着いた。この町の教会は町はずれの丘の上にあり、行ってみると眺めの良いところだった。スペインの教会は町の中心にあることが多いのだが、ここは希なケースなのだろうか。
マタグランデという小さな丘を登り切ると大きな十字架が立っていて、その先には広大なカスティージャ平原が望めた。そこからだらだらと下っていくと宿泊予定地のカルデニュエラ・リオピコに着いた。とても小さな村だ。
ここでも2人部屋があるはずのアルベルゲにまず行ってみると、またDらの一行が占領していた。しかし、すぐ近くにあったバルとレストランに併設の Santa Fe というアルベルゲにもトイレとシャワー付きの2人部屋があり、結果としてはずっと快適だった。
洗濯などを済ませてからバルでカウンター上のタダのオリーブなどをつまみにカーニャを飲んでいると、単独行動の日本人女性が話しかけてきた。彼女は別のルートである「北の道」を歩いてきたそうだ。この人には、今回の終点のブルゴスのバスターミナルでまた出会った。「北の道」の良さをいろいろ話してくれた。
7時の夕食時間になったので階下のレストランに行くと他の泊り客は皆予約をしてあったそうで、食事にありつけないのかと一瞬焦ったが、メインが肉団子なら大丈夫とのことでホッとした。大テーブルの食事で米、豪、独、伊、西などの各国人でにぎやかに食べた。中でもイタリア人とスペイン人がそれぞれの母国語で喋っているのにお互いに通じていることに感心した。田舎なので夕食のスタート時刻は早かったが、2時間もかけての社交会話にはちょっと疲れた。
ビジャフランカ・モンテ・デ・オカ 6:05 ~ バルブエナ峠 7:05 ~ サン・ファン・デ・オルテガ 9:10/40 ~ アタプエルタ 10:50/11:05 ~ マタグランデ 11:35/40 ~ カルデニュエラ・リオピコ 12:25