佐藤真理子
わたしの訴えに何と答えられるかを見よう。
主はわたしに答えて、言われた。
「幻を書き記せ。走りながらでも読めるように 板の上にはっきりと記せ。定められた時のために もうひとつの幻があるからだ。それは終わりの時に向かって急ぐ。人を欺くことはない。たとえ、遅くなっても、待っておれ。それは必ず来る、遅れることはない。見よ、高慢な者を。彼の心は正しくありえない。しかし、神に従う人は信仰によって生きる。」
(ハバクク書2章1~4節)
先日私はしばらくの間体調を崩し、そのことによって計画していたことがまるまる一年遅れをとってしまうという事態が発生しました。体調を崩したのは短期間だったのですが、そのタイミングがちょうど私の計画に関わる時期だったのでそのようなことになりました。しばらくは受け入れるのに時間がかかりましたが、祈っているうちに一年計画がずれることに対する平安が与えられ、自分が不必要な焦りを感じていたことに気づきました。その際家族がハバクク書の「たとえ、遅くなっても、待っておれ。それは必ず来る。」というみことばを読んでくれたのですが、それは私にとってとても心に響くものでした。
また、その計画に関することで、私はある連絡を待っていました。重要な連絡でしたが、すぐに返信できる内容ではないことは分かっていました。しかも、数年前に一度だけ連絡したきりの海外の方とのやり取りだったので、きちんと連絡が返ってくるのかとても不安でした。しかし、心の中に「それは必ず来る。」というみことばが響いていたので、信じて待っていました。すると、その後、とても誠実な良い返事が返ってきました。このハバクク書のみことば通りに神様が働かれることを改めて確信させられたのです。
現代社会を生きていると、人はついついいろいろなことに焦りがちになってしまいます。しかし、神様は焦っていないのです。聖書の中に記されている人物は、素晴らしい働きの前に準備期間といえるような時期を過ごしています。イエス様は宣教活動に入る前に大工として過ごしていました。パウロは回心してから約10年静かな生活を送り、それから宣教活動を開始しました。
焦らず十分に待つことで、神様の素晴らしい計画を遂行することができるのです。十分に待ったとしても、遅すぎることはありません。「遅れることはない。」という言葉の通り、神様のタイミングは、時にかなって美しいのです。
ハバクク書のみことばには、「神に従う人は信仰によって生きる。」とあります。神を信じて生きる人は、信仰によって生きることができるのです。ヘブライ人への手紙11章1節には、「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです。」と記されています。信仰とは、神様が誠実な方であることを信頼することです。上記のメールを待っているとき、私の中に何度も「返事は来ないかもしれない。」「メールは読まれてすらいないかもしれない。」「がっかりするような内容が返ってくるかもしれない。」という思いがよぎりました。だんだん返事が来るのをあきらめかけて、いろいろなことが間に合わなくなる前にやはり直接電話をかけようと考えていたところに、とても誠実な返信が返ってきたのです。私の疑いの気持ちよりも、「それは必ず来る。」というみことばの方が正しかったのです。
性懲りもなく何度も神様を疑うということを繰り返しているものの、これまでも私の疑いよりも神様の与えてくださったみことばのほうが正しかったという経験を、私は何度も繰り返してきました。たとえば数年前、家族の病院の検査でとても不安になってしまったことがあり、スマホでいろいろな情報を読むほどにそれは募っていきました。しかしその間何度も「あなたの重荷を主にゆだねよ。主はあなたを支えてくださる。」という詩編55編23節のみことばを読む機会がありました。後日何も心配ないことがわかり、私の心配は杞憂に終わったことがありました。
神様は私たちの考えや、膨大な情報よりもずっと正しく、誠実なのです。
信仰によって生きることは、神様を信頼して生きることです。そのことと、神様があたたかく誠実で、誰よりも信頼するに値することを理解することは、深いつながりがあるのだと思います。神様はもちろん私たちが畏敬の念を持つに値する方ですが、不誠実や冷徹さからは最もほど遠いところにいる、愛に満ちたあたたかい方です。不必要に私たちを責めることは絶対にありません。親が子を愛するように、私たちに常に最善のものを備え、与え、私たちに幸せに生きてほしいと誰よりも願い、それを可能にする方です。
神様は私たちの正直な思いを喜ばれます。蔑んだり笑ったりすることはありません。神様には、心の中で全てを何でも打ち明けてみてください。必ず、誠実な答えが返ってきます。
神様のタイミングは完璧です。遅れることはありません。神様の誠実な答えは、必ずやってきます。信仰を働かせて、それを待ち望んでいきましょう。
佐藤真理子(さとう・まりこ)
東洋福音教団所属。
上智大学神学部卒、上智大学大学院神学研究科修了、東京基督教大学大学院神学研究科修了。
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