特集75 アジアと日本とキリスト教


心の視野を広げていこう

2023年がスタートしました。AMORでは今年の企画の柱の一つに「アジア」を取り上げます。昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、わたしたちに、ロシアのこともウクライナのこともほとんどよく知らなかったという事実を痛切に気づかせています。普遍的な願いとして、平和を願いつつも、そのような事態に至った当該国の歴史的背景についてはほとんど知らなかった自分たちを見いだしたのです。現代に生きる人類家族として、当地の人々のことを思い、祈るために、遠い日本にいても、わたしたちの世界へのまなざし、心の視野を地道に広げていくことが大切ではないかと、日々、感じさせられます。

そのように振り返ると、わたしたちの持っている世界像に大きな偏りがあることに気づきました。明治以来、ヨーロッパ、戦後はアメリカが自分たちの目標として意識されてきたなか、自分たちは“欧米先進国”の一員であるかのような自覚・自認、あるいは錯覚・幻想を抱かせられているのではないか……。

近現代の日本のキリスト教も、実際に欧米からの宣教師との出会いと関係の中で形作られてきた歴史もありつつ、その時代は確実に過去のものとなりつつあるのではないか……。近年の日本のカトリック教会を見ると、すでに実に多国籍の人々の世界になっているという現実があります。アジア、南米、アフリカの諸国からやってきた人々が日々増えています。修道会・宣教会のみならず教区司祭のメンバー構成にもその動きが反映されています。そうした現実を前にして、日本人の持つ世界理解、歴史認識が追いつけていないところが多々あるのではないでしょうか。

そのような気づきと反省から、まず、日本もその中の一員であるところのアジアへと、その中にあるものの特徴とは何かを問いかけながら、新たに目を向けていくことにします。手始めに、昨年夏のSIGNIS世界大会への注目と振り返り、アジアに関する基本情報を探っていくこととします。

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使徒的勧告『アジアにおける教会』が見たアジア

「アジア」という言葉に込められた思い~~AMOR流リサーチ

SIGNIS KoreaとSIGNIS Japanの心の交流を求めて

2020年末時点のカトリック情勢

 


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