日本カトリック映画賞とは?


中村恵里香(ライター)

SIGNIS JAPANの働きの中で一つの重要な要素が日本カトリック映画賞です。

この賞は、受賞年度の前年の12月から受賞年の11月までに上映された日本映画の中で、キリスト教の愛の教えに基づく福音的な映画を選び、その監督に贈る賞です。

2019年度受賞作『こどもしょくどう』

日本カトリック映画賞は、SIGNIS JAPANになる以前、OCIC JAPAN(日本カトリック視聴覚メディア協議会)の時代に制定されています。第1回優秀賞は、伊藤宏一監督の『咽び唄の里 土呂久』でした。当初は、四谷にあった中央協議会の会議室で、関係者30人ほどをお招きしてのささやかな祝宴だったといいます。当時のOCIC JAPANのメンバーもメディアのプロ10人足らずだったそうです。

そんなささやかな日本カトリック映画賞が、大きな会場を借り、上映会と講演会を催すようになったのは、第21回の東陽一監督の『絵の中のぼくの村』からです。会場は、神田にある教育会館でした。

その後、会場をなかのZEROホールに移し、現在44回まで行われています。これまでの受賞作は下記に表にしてありますので、参考になさってください。

2019年度は、日向寺太郎監督の『こどもしょくどう』が受賞しましたが、新型コロナウイルスの流行に伴い、とても残念なことに上映会は中止となりましたが、2020年7月4日にカトリック浅草教会で日向寺監督と配給会社の方をお招きし、関係者のみの授賞式を行いました。

2020年度の映画賞については現在選定中です。さて、どんな作品が選ばれるかぜひ楽しみにしていてください。

 

日本カトリック映画賞 受賞作品
受賞年度 作品名 監督
1976年 第1回 咽び唄の里 土呂久 伊藤 宏一
1977年 第2回 ねむの木の詩が聞こえる 宮城 まり子
1978年 第3回 春男の翔んだ空 山田 典吾
1979年 第4回 マザー.テレサとその世界 千葉 茂樹
1980年 第5回 父よ、母よ 木下 恵介
1981年 第6回 教育は死なず 板谷 紀之
1982年 第7回 (該当作品なし) なし
1983年 第8回 この子を残して 木下 恵介
1984年 第9回 国東物語 村野 鐵太郎
1985年 第10回 銀河鉄道の夜(最優秀賞) 杉井 ギサブロー
こんにちわ地球家族(優秀賞) 千葉 茂樹
1986年 第11回 海と毒薬 熊井 啓
1987年 第12回 ゴンドラ 伊藤 智生
1988年 第13回 火垂るの墓 高畑 勲
1989年 第14回 黒い雨(最優秀賞) 今村 昌平
1989年 第14回 戦場の女たち(優秀賞) 関口 典子
1990年 第15回 ベンポスタ子ども共和国 青池 憲司
1991年 第16回 あーす 金 秀吉
1992年 第17回 阿賀に生きる 佐藤 真
1993年 第18回 スペインからの手紙 朝間 義隆
1994年 第19回 学校 山田 洋次
1995年 第20回 地球交響曲第二番 龍村 仁
1996年 第21回 絵の中のぼくの村 東 陽一
1997年 第22回 愛の黙示録 金 洙容
1998年 第23回 ユキエ 松井 久子
1999年 第24回 ナビィの恋 中江 裕司
2000年 第25回 老親(最優秀賞) 槇坪 夛鶴子
―豪日に架ける―愛の鉄道(特別優秀賞) 「愛の鉄道製作委員会」
2001年 第26回 GO 「GO」製作委員会
2002年 第27回 チョムスキー9.11 ジャン・ユンカーマン
2003年 第28回 HIBAKUSHA――世界の終わりに 鎌仲 ひとみ
2004年 第29回 ライファーズ 坂上 香
2005年 第30回 村の写真集 三原 光尋
2006年 第31回 博士の愛した数式 小泉 堯史
2007年 第32回 ひめゆり 柴田 昌平
2008年 第33回 おくりびと 滝田 洋二郎
2009年 第34回 風のかたち-小児がんと仲間たちの10年- 伊勢 真一
2010年 第35回 月明かりの下で~ある定時制高校の記憶~ 太田 直子
2011年 第36回 エンディングノート 砂田麻美
2012年 第37回 隣る人 刀川和也
2013年 第38回 先祖になる 池谷 薫
2014年 第39回 谷川さん、詩をひとつ作ってください 杉本 信昭
2015年 第40回 あん 河瀨 直美
2016年 第41回 この世界の片隅で 片渕 須直
2017年 第42回 ブランカとギター弾き 長谷井 宏紀
2018年 第43回 ぼけますから、よろしくお願いします 信友 直子
2019年 第44回 こどもしょくどう 日向寺 太郎

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

seventeen + 3 =