2018年12月、長く予告されていた『聖書 聖書協会共同訳』が刊行されました。口語訳、現代語訳と呼ばれる聖書、これまで出されていたものの完訳版、改訂版などが2010年代になって次々と刊行されています(2011年にはフランシスコ会訳聖書、2017年には新改訳)。
それぞれ控えめに、あるいはそうでもなく特徴が喧伝されています。なるほど、専門家にとっては一つの訳の変化、違いは解釈論の主戦場かもしれません。しかし、信者にとって、また一般読者にとっても、学問的議論がどうであれ、なじみやすいかどうか、心に響くかどうか、日々の祈りや福音宣教にとって力があるのかどうかが最大の関心事であるでしょう。その両方向のせめぎ合いが、新たなステージに入っているのかもしれません。そしてまた一方、インターネット・メディアを通じて、聖書が新たなセンスとイメージをもって語られる時代、聖書をめぐる環境と状況は大きく様変わりしつつあります。歴史的なことも含めて、そうした側面に触れていきたいと思います。
二つの新しい聖書(2019年2月7日追加)