わたしが選んだ日本の戦争映画10


平和を考えるとき、必ず戦争のことへと頭が向かう。人間が人間らしく穏やかに安らいで暮らしていける平和の日常を、戦争は無残にも破壊してしまう。戦争というものがもたらす残酷で凄惨な現実から目をそむけてはなるまい。戦争とはどのようなものか。そこを凝視し続けることこそが、平和をいつまでも持続していこうという力になるのだと思う。

ここに、わたしは10本の映画を選んだ。その映画には、戦争を産む社会背景や軍隊というものの実態が暴かれる。戦争は非戦闘員までをも死に至らしめるという非人道的なものであることを知りたい。

戦争は、人間を狂気にさせる巧みな装置である。

(鵜飼清/評論家)

 

タイトル(公開年)監督脚本原作出演者
『人間の條件』(1959年、1961年)小林正樹松山善三、小林正樹五味川純平仲代達矢、新珠三千代、小林トシ子
『戦争と人間』(1970年~1973年)山本薩夫山田信夫五味川純平滝沢修、芦田伸介、高橋悦史
『真空地帯』(1952年)山本薩夫山形雄策野間宏神田隆、加藤嘉、岡田英次
『ビルマの竪琴』(1956年)市川崑和田夏十竹山道雄三國連太郎、浜村純、安井昌二
『私は貝になりたい』(1959年)橋本忍橋本忍橋本忍フランキー堺、新珠三千代、菅野彰雄
『雲ながるる果てに』(1953年)家城巳代治八木保太郎、家城巳代治鶴田浩二、木村功、高原駿雄
『拝啓天皇陛下様』(1963年)野村芳太郎野村芳太郎、多賀祥介棟田博渥美清、長門裕之、左幸子
『あゝ声なき友』(1972年)今井正鈴木尚之有馬頼義渥美清、森次浩司、北村和夫
『火垂るの墓』(2008年)日向寺太郎西岡琢也野坂昭如吉武怜朗、畠山彩奈、松坂慶子
『日本のいちばん長い日』(1967年)岡本喜八橋本忍大宅壮一宮口精二、戸浦六宏、笠智衆

 


わたしが選んだ日本の戦争映画10” への1件のフィードバック

  1. この中の映画。かなり見ていました。
    人間の条件は長いので、オールナイトで見た記憶があります。
    改めて見ると、また違った目で観ることができるも知れません。

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