キリスト教メディアとして、今何ができるのか…


百万人の福音(BIBLE&LIFE)編集長 宮田真実子

WEBマガジン「AMOR」創刊5周年、おめでとうございます。インターネットメディアは文字通りどこにでも届くという利点がある重要なツールです。主にあるますますのご発展をお祈りしております。

さて、キリスト教メディアとして、今何ができるのか、何を発信するべきなのか、という問いかけですが、それは雑誌を発行し続けていくうえで、常に考え続けていることです。

今は主にインターネットを通じて、誰もが自由に、ある意味無責任に発言ができる時代です。そしてあまりにも多くの情報が氾濫しています。検索機能を使って、自分の都合のよいものだけを選んで読むこともできます。

そんな中でキリスト教メディアとして、定期的に情報や問題提起、お証しやメッセージを発信し続けることの使命は大きいと感じています。

『百万人の福音(BIBLE&LIFE)』2021年11月号

弊誌は創刊70年(1951年創刊、1954年「百万人の福音」に改題)を迎えました。創刊は、日本が戦争で壊滅的なダメージを受けた第二次大戦の敗戦から6年後のこと。改題の際の発刊の辞には「(本書を)野良仕事の合間に…読まれ」「敗戦のみじめさを味わい…生きる指針を見失った同胞に」などのことばが並んでいます。

現在、日本において戦争は起こっておりませんが、世界のどこかでは常に戦争があり、コロナなどによって格差が広がり、貧困、自殺者も増え、あの創刊当時ともしかしたらかわらないほど、「生きる指針を見失った」方々が多くいらっしゃるかもしれません。

その時代その時代において、大変な現実の中にあっても、共に聖書から生きる力と喜びを受けよう、そんな思いをつないでまいりました。

2021年1月号より表紙に「BIBLE&LIFE」を掲げております。ますます皆様の日常に寄り添った生活密着型、聖書に生きるヒント満載の雑誌でありたいと願っております。

聖書と生活が密着することは、自分の都合のよい部分だけ聞いていればよいということではなく、イエス・キリストはどう生きたのか、何を今の私たちに語っているのか、私たちはどう生きるべきなのかを問われ続けるということだと思います。

時に耳の痛くなるようなことも取り上げなくてはいけないと思いますし、自らの罪や弱さを見せつけられることもあります。しかし、そこで共に聖書に立ち返る場とすることもキリスト教メディアの役割だと感じています。

近年の特集では人種差別や性差別の問題、教会の中に潜むカルトの問題なども取り上げました。蓋をしたいような、教会、そして自らの内側にある気づかない罪の問題にも聖書によって光をあて、共に悔い改め、共に生きていく、その役割も担っていると感じています。

『百万人の福音(BIBLE&LIFE)』2021年12月号

特集は、いちばん今力を注いでいます。「祈りが聞かれない時(どう考えたらいいのか)」「がんばらないと愛されないのですか?」「すべてを赦さなくてはいけないのですか?」などは、キリスト者ならば、一度は感じる疑問ではないでしょうか。そんな素朴で、しかも本質的な問いにも証し者やメッセンジャーと共に考えています。

もちろん、喜びを共にする、という側面もあります。神様がこの日本において、さまざまな団体や人を通して働いておられる、その証しをお伝えすることはキリスト教メディアとして、大切な使命です。「宣べ伝える人がいなければ、どのようにして聞くのでしょうか」(ローマ10章14節)とあるように、伝えるという重要な役目もいただいていると感じております。

将来を見据えての動きとしては、やはり電子媒体に力を入れ始めております。内容を知らせるために紙媒体の広告宣伝のために利用しているだけではなく、2019年より雑誌自体も電子化して、いつでもどこでも(海外でも)いつでもお求めいただけるようになりました。

今後は、リアル&オンラインでの読者との交流会や執筆者による講演会なども計画していきたいと思っています。読者の方々がどう記事を読まれたのか、わかちあっていただき、さらに学びを深めていける場もつくっていけたらと思っております。

これからもキリスト教メディアが教会や宣教団体と手を取り合い、地の塩、世の光としての役割を共に担っていけたらと祈り願っています。

 


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