ステップ


人は生きる上でいくつかの階段を上っていくのではないかと思っています。その階段を上るためにはいくつかの壁も乗り越えていかなければなりません。そんなことを考えさせてくれる映画に出会いました。今日ご紹介する映画は『ステップ』です。

妻に先立たれてから1年。娘の美紀(中野翠咲)と再出発を決意した武田健一(山田孝之)は、カレンダーに“再出発”と書き込みます。始まるのは、2歳半になる娘の子育てと仕事の両立です。

結婚3年目、30歳という若さで妻を亡くした健一は、トップセールスマンのプライドを捨て、時短勤務が許される総務部へ異動します。何もかも予定外の、うまくいかないことだらけの毎日の始まりです。そんな姿を見て、義理の父母(國村隼と余貴美子)が娘を引き取ろうかと提案してくれますが、男手一つで育てることを決めます。妻と夢見ていた幸せな家庭を、天国から見ていてくれるはずの彼女と一緒に作っていきたいと心に誓い、前に進み始めます。残業できない分の仕事をカバーしてくれる同僚に負い目を感じつつ、美紀を保育園にお迎えに行き、夕ご飯を作り、絵本の読み聞かせをしながら寝かしつけ、洗濯を終える毎日にヘトヘトに。時には自信をなくしたり、落ち込んだりしながら、少しずつ前に進んでいきます。

ランドセルを背負った美紀(白鳥玉季)とスーツ姿の健一が陸橋の上を歩いて行きます。集団登校の集合場所の一歩手前まで来ると、今日からはここまででいいと美紀は、一人で駆け出していきます。美紀も小学生になり、健一も上司の榎本部長(岩松了)から営業部への復帰を打診されますが、男手一つの子育てをギブアップしたくないと覚悟を決めて断っていました。

授業参観に備え、子供たちは学校で母親の絵を描くことになりますが、美紀は生きている母親の顔を覚えていません。しかも担任の教師によると、美紀は学級会で「ママはずっと、お家にいます」と発言したという。教師はそれを嘘だと決めつけますが、妻・朋子は今でもいつも家で美紀を見守っていることを健一は分かっています。そんなとき、行きつけのカフェの店員・成瀬(川栄李奈)が劇団員だと知った健一は、どことなく朋子に顔立ちの似ている彼女に助けを求めます。

40歳になった健一に大きな転機が訪れます。営業部への復帰と、新規プロジェクトに出向してきた同僚の奈々恵(広末涼子)との出会いです。初めて美紀(田中里念)に会わせたい女性が現れたのです。今でも実の息子のように健一を気づかってくれる義父・明をはじめ、かつて美紀を養子にしてもいいと言ってくれた義兄夫婦の良彦(角田晃広)と翠(片岡礼子)も背中を押してくれます。

そんなとき、誰よりも健一と美紀を見守り続けてくれていた明が倒れます。自分の余命が長くないと悟った明は、弱った姿を見せたくないと美紀に会うことを拒みます。誰もが「こんなはずじゃなかったのに」と思って生きてきた10年間。いろんな経験をして、いろんな人に出会って、少しずつ一歩一歩前へと踏み出してきた。健一は成長を振り返りながら、美紀とともに明の元に向かいます。そこには、妻が残してくれた「大切な絆」がありました。

この映画は父と子の10年間を描いた物語です。さまざまな問題にぶつかりながら、前を向いて生きていく父と子の姿に心温まるものがあります。ぜひ映画館に足を運び父と子の物語をご覧ください。そこには、家族の愛の物語があります。

中村恵里香(ライター)

7月17日(金)より全国ロードショー

公式ホームページ:www.step-movie.jp

 

出演:山田孝之、田中里念、白鳥玉季、中野翠咲、伊藤沙莉、川栄李奈、岩松 了、日高七海、角田晃広、片岡礼子、広末涼子、余 貴美子、國村 隼

監督・脚本・編集:飯塚 健

原作:重松 清『ステップ』(中公文庫)

製作:勝股英夫、松井 智、多湖慎一、清水武善、佐竹一美、松田陽三/エグゼクティブプロデューサー:寺島ヨシキ/チーフプロデューサー:西山剛史 宇田川寧/プロデューサー:高尾沙織 柴原祐一/音楽:海田庄吾/撮影:川島 周 照明:本間大海/録音:反町憲人/美術:佐久嶋依里/装飾:山本直輝/ヘアメイク:内城千栄子/衣裳:白石敦子/編集:木村悦子/VFXスーパーバイザー:小坂一順 音響効果:松浦大樹 スクリプター:石川愛子

キャスティング:細川久美子/助監督:杉岡知哉/制作担当:後藤一郎/ラインプロデューサー:濱松洋一/製作幹事・配給:エイベックス・ピクチャーズ  製作プロダクション:ダブ/宣伝:KICCORIT

©2020映画『ステップ』製作委員会

 

 

 


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