ミサはなかなか面白い 50「すべての天使とともに」


「すべての天使とともに」

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答五郎……みんな、ご復活おめでとう! 隔週になってから毎回がずいぶん久しぶりな気がするけれど、元気だったかな?

 

 

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問次郎……一応、おめでとうございます。でも、どうして、ご復活はおめでたいのですかね。ご降誕もそうですよね。「明けましておめでとう」と意味が違うのでしょうか。

 

 

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答五郎……ほんとだね。たしかに、自分も疑問に思ったことはあるし、「どうしてなのか」と真剣に考察するに値することだとは思うよ。でも、祝いたくなる気持ちもわかるのだな。今回はあまり突っ込まないことにして、今回のテーマはなんだったかな。

 

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問次郎……叙唱を見ていて、天使が出てきました。このことをちゃんと考えたいと思ったのです。

 

 

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答五郎……たしかにね。まず叙唱の具体例を聞いてみよう。復活の主日に唱えられる「復活 一」を、美沙さん、朗読してもらえるかな。

 

 

女の子_うきわ

美沙……はい。「聖なる父よ、いつでも、また特にこの日に、あなたをたたえ祝うことは、まことにとうとい大切な務めです。わたしたちの過越キリストは、世の罪を取り除かれたまことのいけにえの小羊、ご自分の死をもってわたしたちの死を打ち砕き、復活をもってわたしたちにいのちをお与えになりました。神の威光をあがめ、権能を敬うすべての天使とともに、わたしたちもあなたの栄光を終わりなくほめ歌います。」

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答五郎……ありがとう。三つの部分があるのがわかるだろう。初めの部分は、「まことにとうとい大切な務め」という句が暗示するように、初めの対話句とつながっているところ。真ん中の文が、この日に祝われる神秘を述べるところで、中心的なところ。深いことが実に簡潔に述べられているだろう。そして「神の威光をあがめ」からは、続く「感謝の賛歌」への移行部だ。「感謝の賛歌」のことも目に入れて考えていく必要があるね。

 

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問次郎……そもそも天使がどうしてここに出てくるのでしょうか。

 

 

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答五郎……天使といって、背中に翼がついている何か子どものような存在をイメージしていなかな?

 

 

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問次郎……実は、そうです!

 

 

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答五郎……それは或る製菓会社の影響かもしれないね。それと「天使」という訳語が影響しているかもしれない。

 

 

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問次郎……天使のもとの言葉は何なのですか?

 

 

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答五郎……ラテン語はアンゲルス、ギリシア語のアンゲロスから来る。「使い」の意味、神の使いだから「み使い」と訳されることもあるけれど、「天使」というのもその意味だ。その役割は聖書から見ないとね。それに、絵で翼が描かれることが慣例とはいえ、そのもとも聖書にある。

 

女の子_うきわ

美沙……本質的なことは、神の「使い」であることなのですね。マリアへのお告げ、ヨセフへのお告げなどが思い出されます。空の墓でイエスの復活を告げた方も、そのみ使いと考えられます。

 

 

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答五郎……聖書には、そのようにして、神の意志や計画を告げ知らせてくれる存在のことがしばしば語られる。キリスト教にとって、どうして天使が大事かというと、主である神、父である神は、人間とコミュニケーションをする方だということが示されているからだと思う。神は人間と絶対的に違った存在ということもいえるけれど、いつも人間に関わる方でもある、絶対に他者なのだけれど、もっとも深く関わってくる方でもある、そこのところの橋渡しをするような役割を「み使い」つまり「天使」がしているのだね。

 

女の子_うきわ

美沙……それはわかりました。でもこの叙唱から感謝の賛歌に移るところは、神をほめたたえる存在としての天使ですよね。

 

 

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答五郎……おおっ、そうだね。神の意志や計画を告げる存在というだけでなく、神を賛美する存在としてここでは出ているね。このことを見るためには黙示録4章、5章あたり。とくに4章8節には神の玉座のまわりに翼をもつ四つの生き物がいて賛美の言葉を言い続けるのだけれど、美沙さん、読んで。

 

女の子_うきわ

美沙……「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、全能者である神、主、かつておられ、今おられ、やがて来られる方」。あっ、初めのところは、感謝の賛歌の初めのところそのまま!

 

 

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答五郎……もとをたどれば、預言者イザヤが見た幻の中で、主の座の前で「セラフィム」 という存在が主をたたえることばがあるだろう。

 

 

女の子_うきわ

美沙……「聖なる、聖なる、聖なる万軍の主、主の栄光、地をすべて覆う」。これも「感謝の賛歌」とほとんど同じですね!

 

 

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答五郎……また黙示録に出てくる翼をもつ四つの生き物のことは、預言者エゼキエルの召命のところで見た幻にも登場する(エゼキエル1章)。話があちこち飛ぶけれど、叙唱から感謝の賛歌への移行部分で、「すべての天使とともに、わたしたちもあなたの栄光を終わりなくほめ歌います」ということの背景には、これだけ聖書の中での神賛美の伝統が前提になっているのだよ。わかりやすくいえば、天上の典礼と地上の典礼があって、地上で行われている今の教会の典礼は、天上の典礼と呼応するものであって、一緒に唱和しながら神を賛美しているという理解があるのだよ。

 

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問次郎……天上と地上ということは、レトリックだけではないということですか。でも、なんとなく神話めいていて、現代の人が理解するのは難しいのではないでしょうか。次回、またこのことを考えさせてください。

(企画・構成 石井祥裕/典礼神学者)

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