服部 剛(詩人) 日本人は外国人から見ると無表情に見える、という話を聞いたことがあります。逆に日本人から外国人を見るとYesとNoがはっきりしている、と感じるかもしれません。日本人の心は白か黒かというよりも灰色で、いつも Continue reading
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エンドレス・えんどう 14
服部 剛(詩人) 『深い河』の中で描かれるインドの旅も、いよいよ登場人物たちがガンジス河と出逢う場面に入っていきます。 私たちはたいてい、朝起きて、いつもの道を駅へと歩き、時間通りの電車に乗り、日中は働き、日が暮れた後、 Continue reading
エンドレス・えんどう 13
服部 剛(詩人) ある神父さんと久々に再会し、お互いの近況報告をしているうちに、僕はさまざまな場面を思い起こしました。話題はひょんなことから、かつて深層心理に興味を持ち、読みふけったユングの学説に及びました。「我々が今、 Continue reading
エンドレス・えんどう 12
服部 剛(詩人) 遠藤文学について時々語らう年上の友とバーへ行き、カウンターで『深い河』についての話になりました。 文学に造詣の深い彼は、グラスを傾けながら少し眉間にシワを寄せて、「なぜ遠藤さんは晩年になってインドに赴き Continue reading
ことばの窓 6
文学や芸術は、ときに哀しみを浄化するであろう。なかには様々な天気を通り抜けた後に、日向(ひなた)を見出す詩人がいてもいい。日々の出来事を旅人のように味わい、自らを謳歌(おうか)する権利も、人間にはある。「こ Continue reading
エンドレス・えんどう 11
服部 剛(詩人) 以前に聴いたラジオ番組で、遠藤周作の担当をしていた編集者が、在りし日の思い出を語っていました。その中で「遠藤周作という作家はいくつもの顔を持つ、不思議な人でしたねぇ」と言っていたのが、今も印象に残ってい Continue reading
ことばの窓 5
限りある時間のなかで生きる現代の私たちにとって、本当に必要なことを選択して生きることは、大切である。だが、「むげんの」という詩のなかでは、さらに深い次元で〈すべてをすてたとき〉にこそ、視える領域のあることが Continue reading
エンドレス・えんどう 10
服部 剛(詩人) 先日、静岡・修善寺で行われた川端康成についてのイベントに行きました。『伊豆の踊子』をベースにしながら川端の生涯を辿る映像がスクリーンに映し出され、主人公の書生がトンネルの闇に入っていくことで、物語は旅の Continue reading
ことばの窓 4
詩人とは、見者である。多くの人々が通り過ぎてゆく風景にふと立ち止まり、風の囁きに耳を澄まし、詩(うた)を紡ぐ。それは本来、誰もがもつ視力であるが、大人になるにつれて、忘れられてゆく。詩人は日常に隠れた神と対 Continue reading
エンドレス・えんどう 9
近年、私は「傾聴」の活動をするために自分の部屋を『お茶の間』という名前にして、話し相手を求めている方の思いや悩みなどを聴かせていただいています。その趣旨は、私が悩みを解決するのではなく、その方と対話を重ねながら、自分で心 Continue reading