映画 復活


イエスの生涯が描かれた映画はたくさんあります。私はこれが好きという映画も皆さんお持ちでしょう。しかし、今回ご紹介する映画はイエスがゴルゴタの丘で磔になり、復活をされ、聖霊降臨するまでを描いたとても異色な作品です。

聖書には描かれていない人物ローマの司令官・クラヴィアス(ジョセフ・ファインズ)が主役です。反ローマ勢力熱心党との戦いを終え、総督ピラトのもとに帰ってきたクラヴィアスは、ナザレの人が磔になっていると知らされ、その結末を見届けるように命じられます。彼は、ゴルゴタの丘で磔になったイエスの遺体を引き取りたいと母マリアから申し出られます。それを容認し、遺体は弟子たちによって引き取られ、埋葬されます。

預言によると三日目に蘇るとあることを知り、ローマに対する反抗が強くなることを怖れたピラトにより、墓は封印されます。兵士たちが見張っているにもかかわらず、預言は実現されます。恐怖感を強めたピラトは、徹底的にイエスの捜索を命じます。

捜査の指揮を執るクラヴィアスはイエスが救い主であるということをまったく信じていませんが、死を自ら確認したイエスが生きていることを目の当たりにします。

イエスの行方を追って、山上の垂訓が行われたガリラヤ湖やエルサレムの町を弟子たちを追うように彷徨い、歩き続けるクラヴィアスの変化は見てのお楽しみです。クラヴィアスは本当に神を信じたのでしょうか。

人は自分の目で見たことしか信じようとしません。でも見ずに信じることもできるはずです。

重要なことは、何を求めて生きるのかということではないでしょうか。ピラトはクラヴィアスに「何を求めるのか。確信か、平安か、死のない生活か」と尋ねます。また、終盤、同様の言葉をイエスがクラヴィアスに尋ねます。クラヴィアスの変化が見られるシーンです。イエスの復活を描いただけでなく、自分の生き様を考えさせられるシーンです。

そして、最後の聖霊降臨のシーンは、これまでのイエスの生涯を描いたものとはまったく異なった描き方です。ここも見所ですので、DVDをぜひご覧ください。

 

監督:ケヴィン・レイノルズ

キャスト:ジョセフ・ファインズ、トム・フェルトン、クリフ・カーティス

原題:Risen/製作年:2016年/製作国:アメリカ/配給:ソニーピクチャーズ・エンターテインメント/上映時間:107分

 


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