古谷章・古谷雅子
9月20日(火)第6日目 晴 <行程29.6km/累計145.1km>
エステージャ~トレス・デル・リオ
今日もまたまだ暗い7時前に出発した。30分ほどで着いたイラチェの修道院に付属の醸造所は水の出る蛇口とビノの出る蛇口が並んであることで有名なところだ。しかし、先行していた多人数のグループがはしゃぎながらビノをたくさんペットボトルに詰めてしまったためか、私たちが着いた時にはもうほとんど出なかった。楽しみにしてきたのに、まだ暗い醸造所の前でがっかりしてしまった。この後補充するのかもしれないが、それを待つわけにはいかないので先を急ぐことにした。
間もなく、やや距離は短いものの山沿いを進むコースとの分岐になったが、町を辿りながら行く通常のコースを行くことにした。モンハルディンというセザンヌが描いたプロヴァンスの「サンクト・ヴィクトワール」のような形をした山の麓の広々としたところだ。ずっと薄茶色の平原と遠景の山並みが続き、まさにスペインの大地を歩いている感じがする。
小さな二輪の荷車(リアカー)を引いて歩いている一団がいた。平らなところでは身軽に歩いて快適そうだが、傾斜のある特に階段状のところでは苦労しているようだった。
昼頃にロス・アルコスに着いた。この町は古代ローマ時代からの町とのことで、由緒ありげな建物が並んでいた。特に、休んだバルの前にあるサンタ・マリア教会は、塔はルネッサンス様式、回廊はゴチック、内部はバロック、そして外観はロマネスクという見事な建物だった。この教会に限ったことではなく、外観はロマネスク様式でも中に入ると金ぴかの祭壇がはめ込まれていたり、後世に増築されている教会が多く、長い年月をかけて建築しているのは有名なサグラダ・ファミリアだけではないと痛感した。
プールもあったが、入った人は「寒い、寒い」と言ってすぐに出てきた。
夕食はホテルの食堂で7時から一斉に始まった。巡礼者だけでなく一般のホテルの客も一緒だ。大テーブル方式で、向かいに座ったカナダ人カップルらとにぎやかにしゃべりながらの食事になった。これまでほぼ同じ行程で歩き、挨拶を交わしてきた人たちがどこの人で何をしているのかなど、少しずつわかってきた。
しかし、ほぼ満席だったためか料理がなかなか出てこなくて、食べ終えたのは9時になってしまった。でもビノは瓶ごとお代わりがサービスされた。
アルベルゲ 6:45 ~ イラチェ 7:15/35 ~ 分岐 7:45 ~ ビジョマジョール 9:10/20 ~ ロス・アルコス 12:00/45 ~ トレス・デル・リオ 2:20