インタビューを終えて


あの戦争から何かを学び取る事が重要

今回、映画を上映することの一番のだいご味は観てくれた方々と話ができることです。観客のなかには「叔父がポートモレスビー作戦に参加していました」と話される方がいました。未だ親族の遺骨を探していて、その足取りを知る方法はないかなど、終戦80年といは言え、皆、どこかにあの戦争の記憶を片隅に持っているということが分かりました。そのことを聞くことはたいへん貴重なことであり、また、戦争で亡くなった方がたへの一つの供養になればと思っています。

あの戦争を乗り越えた祖父の代、そして、その後の日本の経済成長をけん引してきた父の代の先輩方の才能とパワーに改めて頭が下がる思いであり、ただ、彼らでさえなしえなかったこの国の真の民主主義を次なる世代は確立しないといけないと感じています。そのためにも、あの戦争の記憶を継承するだけではなく、そこから何かを学び取る事が重要であると肝に銘じています。

谷口広樹

 

映画界に新しい旋風を――「走る映画館」プロジェクト始動〜慰霊地マップを作りながら〜

谷口さんは終戦80年作品として『神の島』という映画を制作されましたが、その映画作りにも戦後80年を経た現在に問題が起きていると語られていました。それは、今の日本映画界が乗り越えないといけない不自由な状況として次のように3つ挙げておられます。

① 映画監督の著作権問題

監督が使い捨てにされている。他のスタッフにも著作権があるという意識が芽生えない。本来は美術部や他のパートにもある。

② 奪われたキャスティング権問題

事務所の力でキャスティングは決められいつも同じ俳優かアイドル。芝居の力での競争が生まれない。

③ 利益の残らない配給上映の問題。

ここが番のネック。劇場に収益の半分。配給にそこから半分取られる。制作会社は貧しいままなので、監督も貧しく、力がないので、昔のような組を形成できず、人材はどんどんゲームやアニメに流れている。昔は監督は金がなくても、金が集まりそうな雰囲気があったなと懐かしむ有様。

そうした状況のなかで、谷口さんは終戦80年映画『神の島』連動企画第三弾「走る映画館」プロジェクトを始動します。兵士引揚の第一陣が着いた浦賀から107日より日本全国を回るのだそうです。インタビューの最後に話されていることですが、「こちらから見てほしい人を訪ねるスタイル」を実行されます。全国のみなさんどうかご支援のほどお願いいたします。

鵜飼清

 

映画「神の島」連動企画第三弾 終戦80年巡礼プロジェクト開始

映画「神の島」上映の営業をしながら 慰霊地マップを作る旅にでます!  このマップは現地の今の状況や先の大戦を経験した声なき人々の物語を報告します。 イージーライダーが好きなオッサンがあの戦争を総合的に学習し、そして亡くなった310万人の人々の魂を慰霊する旅です。 まずは東日本編。10月7日より引揚第一陣が着いた浦賀から北上します。宜しければ時々、覗いて見てください!

慰霊地マップ https://memorial-map.onrender.com

巡礼日記 https://note.com/guku4681/n/nfeb927cdcb4c

 

神の島公式ホームページ:https://www.kaminoshima2025.com/

映画『神の島』を制作した谷口広樹さんにお話をお聞きしました①はこちらから

映画『神の島』を制作した谷口広樹さんにお話をお聞きしました②はこちらから

映画『神の島』を制作した谷口広樹さんにお話をお聞きしました③はこちらから

映画『神の島』を制作した谷口広樹さんにお話をお聞きしました④はこちらから


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