佐藤真理子
そこでわたしはあなたがたに言う。求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである。
(ルカによる福音書 11章 9-10節)
2025年は先月始まったばかりです。皆さんは今年をどのような一年にしたいと願われていますか。キリスト者であれば、神様の御心に従って一年を歩んでいきたいと思われる方が多いと思います。今回は、神様の御心に沿って歩むこと、神様の声を聴いて歩むことについてシェアしてみたいと思います。
神様の御心を知ることは、キリスト者にとってとても大切なことだと思います。神様の御心に沿って生きる上での基本となるのは、神様のご性質をよく知ることです。祈りや聖書を通して、神様と日々親しくなることは、神様の御心の通りに生きるカギとなります。
神様と親しくなると、自分の意志と神様の意思が一致してくるようになるからです。すると、神様が私たちに与えた意思によって私たちは突き動かされ、祈るようになります。ピリピ書には、神様は私たちのうちに働きかけ、願いを起こさせると書かれています。
あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである。すべてのことを、つぶやかず疑わないでしなさい。
(ピリピ人への手紙2章 13-14節)
神様と親しく歩んでいけば、私たちの願うことと神様の願うことに一貫性が持たれるのです。
神様の声は、多くの場合自分の意思として心に語り掛けられるものです。周りの人の口を通して聴くこともあるかもしれません。
私はキリスト教とは子供のころから深いつながりを持っていましたが、20歳くらいまで、自分が宣教の働きをするなどとは思ってもみませんでした。しかし、聖霊によって本当に神様を慕うようになってから、そのような思いが起こされ、その思いは長いこと心にとどまり続けました。宣教に携わるようになってから、大変なことは勿論ありましたが、喜びのほうがずっと大きいです。
神様の声は、はじめは自分自身の思いのように思えるかもしれません。しかしそれは心の中に長くとどまる、実現を促す力のようなものです。時にはそれまでの自分からすると驚くような内容だったりすることもあると思います。
また、神様は私たちに最善のものを与え、喜びの人生を与えたいと思っています。従って、神様の召しは、私たちが心の奥底から嫌だと思うものだったり、不必要に苦しんだり、不快だったりするものであることはありません。勿論、神様の願いは受け入れやすいことだけではありません。
例えばひどいことをした人に温かく接したり、赦したりすることは神様の喜ぶことですが、とても困難なことです。また、一時的にとても大変な目にあうこともあるかもしれません。しかし、それらのことは必ずそう遠くないうちに喜びへと変わるものです。神様は必ず私たちに最善のものを与えるのです。そしてその最善のものは、神様と共に歩んでいるならば、私たち自身が願い求めるものです。
時には、神様とともに歩んでいても、願いが自分の思い込みなのか御心なのかわからなくなることもあると思います。私自身、御心だと思って行ったことが失敗し、混乱してしまったことがあります。一時的にはとてもショックを受けました。しかし、その出来事を冷静になって振り返ると、長い人生の中ではとても些細なことで、失敗したほうより良い道を選べたと思えることなのです。
やはり、神様は私たちに最善のものを与えるという原則は絶対なのだと思います。そして、神様の与えてくださる喜びはインスタントなものではなく、本物なのです。だからこそ、長い目で見ると私たちの人生に悪影響を及ぼすような一時的な喜びを求めるときに、神様がストップをかけることはたびたびあると思います。安心して神様にゆだねて歩んでいきましょう。間違っていれば必ず神様が軌道修正してくださいます。安心して聖霊が促すことに対して一歩を踏み出してみてください。
何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈りと願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。
(ピリピ人への手紙4章7-8節)
あなたが神様と親しく歩んでいるならば、神様は必ずあなたの願いを最善の形でかなえてくださいます。
わたしたちが神に対していだいている確信は、こうである。すなわち、わたしたちが何事でも神の御旨に従って願い求めるなら、神はそれを聞きいれて下さるということである。そして、わたしたちが願い求めることは、なんでも聞きいれて下さるとわかれば、神に願い求めたことはすでにかなえられたことを、知るのである。
(ヨハネの第一の手紙5章14-15節)
神様はあなたの幸せと喜びを誰よりも願っています。だからこそ、安心して一歩を踏み出してみましょう。私たちの心に響く神様の声に耳を澄ませて歩んでいきましょう。
佐藤真理子(さとう・まりこ)
東洋福音教団所属。
上智大学神学部卒、上智大学大学院神学研究科修了、東京基督教大学大学院神学研究科修了。
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