紹介書籍:
百瀬文晃『キリスト者必読 生涯学習のための「祈り」』(女子パウロ会、2024年)
大学生時代、自分で言うのもなんですが、私はよく祈っていました。二十歳で受洗するまでの求道期間、受洗後の学生時代、一限前、静かな朝の聖堂にて祈りました。空きコマ(授業と授業の間、空いている時間)に聖堂で祈ることもありました。また、お昼休みには毎日のように学内小聖堂にてミサに与り祈りを捧げました。大学時代は「人生の夏休み」と呼ばれることもあるほど、特に自由に時間を使うことができる期間かもしれませんが、そんなときに聖堂でお祈りする時間を持てたことは大変な恵みだったと思います。何度か黙想会にも参加できました。カトリック青年大会にも参加し、同世代の若者と祈る貴重な時間も過ごしました。神様に感謝したいとき、都会の喧騒から逃れたいとき、やるせない事があったとき……いつでも大学近くの聖堂内で神様のみ前に自分を置き、泣いたり願ったり対話したり、まことに豊かな祈りの時をもつことができたのです。
このように振り返る今、私は社会人八年目を迎え、あの頃のようにじっくりゆっくり祈るひとときはなかなか持てませんが、ますます祈りの大切さ、必要性を感じるようになりました。そんな中、出会った本が今回紹介する『キリスト者必読 生涯学習のための「祈り」』です(前置きが長くなり失礼しました)。これから受洗を考えている方、受洗して間もない方にお勧めしたいのは勿論ですが、信者歴は長いのだけど最近お祈りサボっているなぁ、とか信者であることに甘えてしまって改めて祈り立ち返りたい!(私自身のことなのですが)というような想いを抱いている方々にもおすすめです。
全十章だてで「祈り」について基本的なことから始まり、より具体的に細やかに書かれています。著者・百瀬文晃神父様の「キリスト者必読 生涯学習のための〇〇」は他にキリスト論(2021年刊)と教会論(2022年刊)も既刊ですので、併せておすすめします。「キリスト者必読」とあるだけに是非一度手に取っていただきたい内容だなと感じました。
(匿名希望)