2023年夏・英国の山旅 レイク・ディストリクトとスコットランド(3)


※前回の記事はこちらです。

古谷章

今回の行程


 

7月6日(木)ケアンゴーム登山

宿から小一時間のドライブでケアンゴーム山(標高1245m)の登山口へ向かった。山麓にある観光地アヴィモアを経て山道を走ると、冬はスキー場にもなるので標高約600mのところに大きな駐車場がある。そこから登ること1時間40分で頂上に着いた。登り始めは、冬はスキー場になる草原の中を歩くが、頂上近くは岩だらけの山肌になった。

登山口から登山電車も出ていて標高1000mくらいまで歩かずに登れるのだが、駅の周囲はのっぺりとした地形なので、ひとたびガスがかかると観光客は道を失って遭難しかねない。そのため終点の駅からは周囲を望むだけで、駅舎から外に出ることはできない構造になっている。そこで山頂を目指す登山者は登山電車に乗らずに駐車場からずっと歩かざるを得ないのだが、観光客と登山者をハッキリと分けて管理しているというわけだ。

キンガスジーの宿に戻ってから町に出てみると、町の周辺にもいくつかのフットパスが整備されていて気持ちよく歩くことができた。

 

7月7日(金)キンガスシーからネス湖

今日はこの山旅の中日に当たるので行程を短くした。インバネスを経てネス湖畔までの3時間足らずのドライブだ。ネス湖畔には昼に到着したので公園で弁当を食べたり、記録を整理したりとのんびり過ごした。ネス湖はやはり大変な観光地で、多くの観光客で賑わっていた。湖畔のホテルに宿泊。

道路標識はゲール語と英語の併記

 

7月8日(土)ネス湖から北の寒村オルトベア

ファイブシスターズやアイリーンドナン城などの景勝地の脇を通り、さらにミールゴームの峠道を走る。標高600mほどの峠からの眺めは素晴らしく、険しく細い山道を緊張して運転してきただけの甲斐はあろうというものだった。はるかにスカイ島方面も望める。その後はさらに北上して、オルトベアという西に海を臨む寒村の宿に到着した。

 

7月9日(日)オルトベアからダンカンビー・ヘッドを経由してサーソウ

ザ・ノースと言われるブリテン島北部の海岸沿いにドライブをしたいところだったが、細くて曲がりくねった道のようだし、また生憎の空模様。しかたなく道路事情の良い内陸部を横断して東海岸に出た。一時天気も回復しそうになったのでハイランドらしい景色を堪能できそうな山道に入った。ところが濃霧になり、先が全く見えない状態になってしまったので再び海岸沿いの道に戻った。今一つすっきりしない天気の中、右手に北海を見ながら北上し、ブリテン島北東端の岬ダンカンズビー・ヘッドまで行った。そしてオークニー諸島などへの連絡船の発着する港町、サーソウのホテルに宿泊した。

 

7月10日(月)サーソウからアヴィモアを経由してエルギン

北のはずれまで来たのであとは南下だ。昨日と異なり天気が良いので、昨日通った道でも異なる印象だ。左に見える北海がきれいだ。途中国道から少し外れたところにある駐車場から1時間ほど、スケルボ・トレイルという林の中のトレイル歩きを霧雨の中だが楽しんだ。トレイルの脇にはいくつかの彫刻が飾られていて面白い。

予想以上に順調に走ってきたので、宿泊予定のエルギンには直接行かずに、再びアヴィモアを経由しケアンゴーム国立公園内の山道をドライブしてみることにした。このルートは家が全くなく草原と岩山が連なり、グレンコーなどとはまた異なった雰囲気の、スコットランドらしい不可思議な光景だった。

(つづく)

 


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