遠いけれどアジア:中東・西アジア~~AMOR流リサーチ


「中東」「西アジア」ということば
そぼ
こんにちは。前回に続いての登場だよー。どうしても、気になることがたくさん出てきたので、きょうもリサーチ、お願いします!
りさ
任せてください!
そぼ
今年2月6日にトルコ南東部で大地震が発生し、トルコ、シリアで多くの犠牲者が出ていて(2月16日現在で4万人超え)、数百万人が被災しているよね。でも、日本からは遠いし、歴史・宗教・文化の面でも日本との違いは大きいから、遠い世界の、他人事のように感じてしまうところもあって……。
りさ
そうですか。でも、歴史的には古代においても、近代においても深い関係がありそうですよ。
そぼ
そうなんだ? 前回からの「アジア」のテーマでいえば、これらの国々も「アジア」なんだよね?
りさ
ウィキペディア(出典不確実とされる要注意情報ですが)では、「中東」とほぼ同様の地域とされています。外務省の世界各国のインデックスや地図では、面白いことに、「アジア」と区別されて「中東」という領域にされています。

「西アジア」というのはまだ成長過程の概念なのかもしれません。平凡社の『世界大百科事典』(1988年発行 改訂版2005年)でも「西アジア」という項目はありません。少し古いといえるかもしれません。いずれにしても、トルコ、シリアは、西アジアといってもいいですしい、中東といってもいいようです。

前回特集の地図を見ていてくださいね。『世界大百科事典』の「中東」の項目で、中東は「東はアフガニスタン、イランから西はモロッコなど北アフリカの大西洋岸まで、北はトルコから南はアラビア半島全域ないしアフリカの角やスーダン、サハラ地域までを包含する地域を指す」と言われています。ただその範囲は必ずしも一定しているわけではないとも、ね。

そぼ
じゃあ、今月のテーマでもある「ジョージア」は?
りさ
それが面白いというか、わからないというか。

ウィキペディアの「西アジア」という項目に数えられている国々は、ほぼ「中東」と呼ばれる国々が入っているほか、黒海とカスピ海の間のコーカサス山脈の南側にあるアゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア(グルジア)についても「西アジア」に含めることも多いと書かれています。

さらに、それらの国に関する個別の言及を見ると、「旧ソ連諸国のためヨーロッパに含まれる場合もある」との但し書きもあります。

そぼ
ヨーロッパに入るかどうかは、旧ソ連の領域だったかどうかが基準なのか。
りさ
ちなみに、外務省の地域区分では、これら3つの国はどう区分されているかというと、皆ヨーロッパという区分になっています。
そぼ
えー。どれも古そうな国々なのに、20世紀にできた、しかももうないソ連の領域であるかどうかで、区分が左右されるのは解せないな。
りさ
たしかに。アゼルバイジャンも、アルメニアも、それに今回の特集テーマになっているジョージアも、それぞれに古い独特な歴史があります。

ペルシアやトルコやモンゴルとも関係が深いので、「アジア」という括りで考え、その意味で「西アジア」という概念を私たちの中に育てていくことが必要かもしれませんね。そして、なによりも、それらの国々の固有な文化や歴史を素直に知っていくことが大事なことですけれど。

そぼ
それで、AMORも特集にしているわけか。

 

気になる「オリエント」「東洋」
そぼ
ところで、前回調べたとき、「アジア」は東の方、それもギリシアから見て東の方を指す言葉から発展したってことだったよね。

もう一つ、今見た西アジアや中東を指す言葉とかぶりそうなのだけれど、「オリエント」って言葉もあるような。

りさ
はい、「オリエント」の言語はラテン語のオリエンス(oriens)、もともとは「日の昇るところ」を指します。対語のオクシデンス(occidens)は「日の没するところ」という意味で、そこからオリエンスは東方、オクシデンスは西方を指す言葉になっていきます。

この言葉が文明の違いを意味するような言葉になったのは、ローマ帝国が東西に分かれていった4世紀末からのことで、オリエントが広く東方世界、オクシデントが広く西方世界となり、これはキリスト教の多様な発展領域の言葉となっていきます。東方キリスト教と西方キリスト教といった形ですね。

そぼ
その区分でいうと、ギリシアは東方に入るわけか。
りさ
そうです。東ローマ帝国、やがてビザンティン帝国が東と意識されていくのですね。それがイスラム世界にも広がり、やがてインド、中国、日本が知られるようになると、それまで含むとか。
そぼ
日本は、遣隋使のころから「日出るところ」の意識があったわけだから、究極のオリエントか。すると、極東(Far East)と呼ばれるときのEast(東)とほとんど重なるのがオリエントってことなんだね。
りさ
そういえるかもしれません。英語だと East とか Eastern といいます。オリエントというと、今では「古代オリエント」を連想させることが多いかもしれません。

これはエジプトやメソポタミア、トルコ、イランなど、ギリシアの東側からイランあたりまでの古代文明地域、たくさんの民族や言語や宗教のひしめく歴史世界を指すものです。

そぼ
なるほどね。そこで、気になってきたのが日本語の「西洋」と「東洋」という区分なのだけれど……。

「東洋」というと、日本、中国、インドを代表として(さらに東南アジアも入る)、仏教が広まり、なおかつヒンズー教や儒教、道教や神道など固有の宗教を伝統とする世界をイメージするけど、これで世界全部じゃないよね。

りさ
今言った、東洋にはイスラム教も広がっていますよ。いずれにしても、そういった「西洋」「東洋」という概念で考えると、西アジアや中東が抜けてしまいますね。

それに今では、日本にしてもそんなに、東洋だけ、というわけでもないでしょうし。現代の文化状況からすると「西洋」「東洋」という言葉は、それ自体ちょっと古語のようにも響きます。

そぼ
なるほど。さて、ジョージアに戻るけれど、西アジアといわれたり、ヨーロッパといわれたり、その実態はどうなんだろう、がぜん興味が湧いてきたよ!
りさ
そうですね。大まかな地域区分は、あくまで、きっかけ、入り口のようなもので、さっきも言いましたが、実像そのものを見ること、それに出会うことが大事だと、ほんとに思いますよ。ほかの記事もぜひ読んでみてくださいね。

 

(調べ・構成:AMOR編集部)

 


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