古谷章・古谷雅子
9月19日(月)第5日目 晴 <行程22km/累計115.5km>
プエンテ・ラ・レイナ~エステージャ
朝7時過ぎ、月明かりの中を出発した。今日は天気が良くなりそうだが、まずは長袖の上に雨具を着ての行動だ。最初の村、マニェールでバルに入ってゆっくりと朝食にした。いつものことながらカフェ・コン・レッチェとボガディージョ(サンドイッチ)がうまい。
その先の丘の上にある村、シラウキはまるで中世のような迷路の町とのふれこみだが、街の中心部ではなにやらイベントの準備中で落ち着かないので、あまり休まずに通過してしまった。
ぶどうやオリーブの畑に囲まれた、あまりアップダウンのない道が続くが、粘土質の土地なので雨の後の水たまりがなかなか消えないようだ。スペイン内戦の記録を読むと塹壕掘りに苦労した場面がよく出てくるが、この土質ではスコップも歯が立たなかったろうと想像できた。
ロルカやビジャトゥエルタという小さいながらも趣のある村々では通過してしまうだけではもったいないので、村の中心にある広場で休みながら進んだ。どこも必ず村の中心となる広場があり、物語性が感じられる。
エステージャの町に入り、まずはツーリスト・インフォメーションに行った。そこでいくつかあるアルベルゲのうち、新市街にあるトイレとシャワー付きのツインルームのある Capuchinos Rocamador を紹介してもらった。少々高い(40€)が快適だ。それまで封筒に入れて肌身離さず持っていた日本円とユーロの紙幣が汗でびしょびしょになっていることに気づき、窓際に並べて乾かした。こんなことができるのも個室ならではのことだ。
この町の旧市街は「北のトレド」と称されるほどの歴史のある街で、趣のある教会などをいくつか見て回った。中でも街を見下ろす丘の上にある教会は1950年代に建てられた近代的なものだが、素晴らしいステンドグラスに飾られた八角形のバジリカで、まさにエステージャ(星)を表していた。昔、羊飼いが星の導きでこの丘に登り、今安置されている聖母像を発見したという。私たちのほかには誰もいなかった。
アルベルゲに戻って夕食にした。大したことのない料理だったが、町のレストランでは普通は8時にならないと夕食を食べられないこの国で、6時半から食べられるのはうれしい。建物は昔の教会だった由緒ある建物で、共通部分の装飾や家具など立派なものだった。キッチンも使えるので食後のお茶を入れて庭で飲んだが、寒くて早々に引き上げた。
アルベルゲ 7:05 ~ マニェール 8:10/50 ~ シラウキ 9:20/30 ~ ロルカ 10:50/11:10 ~ ビジャトゥエルタ 12:15/25 ~ エステージャ入口 2:20 ~ アルベルゲ 2:50