7月17日(金)晴れ時々曇り
オ・ソブレイロ~サモス(31.2㎞)
4:50出発、7:25ポイヨ、8:20〜9:00フォンフリア、9:30ビデユエド、11:05トリアカステーラ、14:30サモス
出発時は星が出ていたがやがてガスがかかり肌寒くなった。6日目にして初めての曇り空、あのぎらぎら太陽を思えば天国だ。しかし明るくなるころには晴れあがり、ポイヨに着く。
ほどなくサン・ロケ峠(1300m)を越え、フォンフィアという小集落に着く。直前でクレープおばさん(クレープをお接待のように捧げているが家に入るとお金を取るらしく結構有名人でちょっと魔女風の風貌だ)に会う。フォンフィアでトースト、コーヒー、ジュースの朝食を食べる。
ガリシアに入って急に牛糞が増え、牛が我が物顔に巡礼路を歩いている。うっかりすると牛糞を踏んでしまうので気を使う。朝霧で土が湿っているのでヒマラヤのように牛糞の埃を吸い込むことはないが干し草が発酵したような匂いがだんだん鼻についてくる。
ガリシアに入ってから空気がしっとりし、頻繁に小集落が現れるので気がまぎれる。樹種も多くなり、ヨーロッパナラ、クリの巨木やシラカバ、ヤナギ、ナナカマド、ヒイラギ、アカマツなどを確認する。特にクリは名産のようで二抱えもあるクリにたわわな実がなっている。途中うんち禁止の珍しいサインを見る。うんちをしている人の上に斜めの赤い線を引いた物だ。とにかく茂みという茂み、場合によっては道端にトイレットペーパーがあり、著しく景観を損ねている。カミーノ友の会やEU、スペイン政府で手を打てないものか。
700mほど標高を下げ、トリアカステーラのバルでコーラを飲む。中世、トリアカステーラの大聖堂建設のため巡礼者は採石場から1つずつ石を運ばなければならなかったという。
ここを過ぎると道が2つに分かれる。左の道は谷川沿いの道、右は見晴らしの良い県道を行く道のようだ。今日の宿はサモスに決めているので左の道を取る。道はオリビオ川に沿って穏やかに下ってゆく。墓があり、中を覗くと石棺が2段で入るような建物が並んでおり、そこに棺を納めるようだ。土葬なのかもしれない。
渓流沿いに青空まで届くようにのびやかなポプラが育っている。2時半にサモスのアルベルゲ、バル・デ・サモスに到着。
洗濯物干し場が北の崖下で日が当たらないので道路を挟んだ橋の手すりにずらりと並べて干す。近くのバルでイカリング、ハムなどをつまみにビールを飲み、ぶらぶら歩いているとスーパーマーケットがあったのでそこで缶詰やチーズ、ハム、トマト、アスパラ、ワインなどを買って夕食は自炊とする。暮れゆく緑を見ながらゆったりと夕食を摂る。