シグニス・アジア会議と東アジア会議を振り返る


千葉茂樹(映画監督、前SIGNIS JAPAN会長)

「カトリック生活」(2003年11月号)に、私はシグニス・ジャパンの使命について、短文「教皇ヨハネ・パウロ2世の呼びかけに応えて」を書かせてもらった。

それから4年目に、シグニス・ジャパンが大役を引受けて「シグニス・アジア会議 2007 東京」を開催した。テーマは「多くの声、ひとつの使命・平和」であった。

会議は正味5日間、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターに海外より12カ国37名、日本からは19名が集まり、各国の発表が行われ、討議が行われた。その真剣さは日本での討議に初めて同時通訳が2名も用意された事でも解った。そして、3日目昼から、全員が3つのサークルに分かれて東京見物へ出かけた。清澄庭園・水上バス・浅草コース、国立博物館・浅草コース、FEBC訪問・秋葉原コース。それぞれ日本を満喫していただけたと思う。この会期中に第31回日本カトリック映画賞の授賞式と上映会が開催できたことも嬉しい想い出である。またアジアの人々との友好を深めた夕食後のパーティ、最終日の夜の各国の歌や即興の踊りの輪が人々の友情と絆を感じさせてくれた。

それから10年後、今度は第5回東アジア会議を東京で開催した。場所は神田のYMCAアジア青少年センター、正味2日間、テーマは「家族と希望の物語」で、総勢6カ国、37人が参加した。こちらは各国のテーマへの取り組み方の違いが目立つものとなった。日本からは釜ヶ崎の子どもの家、東京の青少年の居場所作り、こども食堂、の3の開設者(全員女性)が素晴らしい話をしてくれた。2日目の午後には日本の歴史と文化の視察として、高輪教会の地下のひっそりとした「江戸の殉教者」の資料室とクリプトを訪問した。参加者は皆が教会関係者の説明を聞いて、祈りを捧げたのである。

そして最後には、目黒の雅叙園を見学〜有名な百階段に描かれた天井絵、各部屋の装飾や調度などに目を見張ったのである。アジアの参加者たちは、さすがに日本の隠れた観光地に感激した様子だった。私自身は疲れと共に体調が優れず、夕食には参加せず会場を後にしたが、実り大きな信仰の2日間であった。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

five × three =