あき(カトリック横浜教区信徒)
キリスト系ウェブマガジンとしては、人と酒のかかわりを書くにあたり、やはりイエス・キリストとお酒の話から入るのが良いと考えました。皆さんが一番よくご存じのシーンは、聖書に出てくる「カナの婚礼」(ヨハネ2:1~12)であろうと思います。
ガリラヤのカナというところで婚礼があり、イエスは母と一緒に招かれました。婚礼半ば母が「葡萄酒がなくなった」とイエスに話すと、イエスは「石の水がめにあった水を皆さんのところに運びなさい」と言います。世話役がこれを飲むと「ふつうは初めに良い葡萄酒を出すものだが、今まで良い葡萄酒を取っておかれたんですね」と花婿に話したというのエピソードです。
それ以外にも聖書に酒の話はたくさんあります。
一番有名なのはキリスト教のミサ聖餐式。
「これはわたしの体・血である」と賛美を捧げ、パンと手でわけて葡萄酒を口にするのは、イエスが十字架の死の前に弟子たちと過越しの食事(最後の晩餐)をしたことに由来しています。
当時のお酒というのは葡萄酒だったようですが、人と酒のかかわりは昔から深いものがありますね。
西洋では、最古のお酒は蜂蜜酒であると言われているそうです。蜂蜜は栄養価が高く、発酵してすぐお酒になるとの事。木の空洞にたまった蜂蜜に雨水が入って発酵。お酒になったのでしょう。
東洋では中国の「猿酒」の伝説があります。
猿が果実を溜め込んでいたら酒に変わったというお話です。見つかった世界最古のお酒は中国で紀元前7000年くらいの昔だそうです。私たちがよく飲むビールは紀元前3000年くらい昔のメソポタミアで飲んでいた記録があります。
日本酒に話をうつしましょう。
日本酒は「口噛み酒」というのが起源だそうで、「醸す」という言葉も「かむ」から由来しているという説もあるそうです。
日本では神事にお酒は欠かせないものです。
結婚式でも「三々九度」の盃を交わします。
江戸時代はまだどぶろく(白酒)だったそうですが、偶然お酒に灰が入ってしまったら、なんときれいに澄んだお酒ができたというのが清酒の由来だそうです。
醸造酒からそれを蒸留してアルコール度数があがり、更にお酒の種類は多くなりました。
世界各国で様々なお酒が造られ、楽しまれるようになりました。
現代、日本では日本酒・焼酎はもちろん、ビール(最近ではクラフトビールが流行っています)、ウイスキー・ウォッカ・ジン、ラム、テキーラ、泡盛などなど様々なお酒を楽しむことができます。
酒の話をした後は、当然酒の肴の話が出るところですが。
それはまた別のこととして(笑)。
コロナ禍の中、気軽に外でお酒を楽しむことが難しくなりましたが、人間とお酒の歴史はこれからもずっと続いていくでしょう。
ということで、今日はこれからオンライン呑み会。