「顔を捨てた男」

TAKAHIRO（AMOR編集部）

顔に極端な変形を持つ俳優志望の主人公のエドワード。顔にコンプレックスがあるため他人との関わりを持たず、気持ちを閉じ込めひっそりと生活を送っています。

ある日外見を変える治療を受け、理想の顔を手に入れます。順風満帆な生活を送り始めたのだが、そこへ、思いを寄せていた女性イングリッドとの再会、そして過去の自分の顔とそっくりな男オズワルドとの出会い、この三角関係によってエドワードの運命は思いもよらない方向へと進んでいきます。

理想の外見を手に入れれば自分らしく生きることが出来ると思う方も多いと思います。

しかしこの映画では外見が素晴らしい人生を歩ませてくれるのではなく、自分らしく生きる、強いアイデンティティを持つことが大切なのだと感じさせてくれます。

主人公はコンプレックスを克服したはずが、根本のアイデンティティは変わっていないため、思うように人生を運ぶことが出来ません。しかし、過去の自分と同じ顔を持ったオズワルドはブレない自分らしさを持っています。そのためオズワルドは何事にもポジティブに捉え自分らしく生きています。外見だけでなく、本当の自分を理解している人間の強さに憧れを抱く事でしょう。