104歳、哲代さんのひとり暮らし


世界でもトップレベルの長寿国の日本ですが、100歳まで生きたいと考える人はほんの2割といわれています。幸福度も他の国に比べて低い日本で、老いていくということはどういうことなのかと思うと、100年も生きる楽しみがあるのだろうかと思ってしまいます。そんなことを考えている私に、今回ご紹介する映画『104歳、哲代さんのひとり暮らし』の案内が届きました。

広島県尾道市の⾃然豊かな⼭あいの町に100歳を超えてひとり暮らしを続けている⽯井哲代さんが暮らしています。⼩学校の教員として働き、退職後は⺠⽣委員として地域のために尽くしてきました。⼦どもはいらっしゃいませんが、83歳で夫を⾒送ってからは、姪や近所の⼈たちと助けあい、笑いあいながら過ごしています。

いりこの味噌汁を作り、家の周りの草をとり、週に一度は、自ら立ち上げた“中野仲よしクラブ”を開催し、お茶を囲んで語り合っています。時には体調を崩して病院にお世話になることもありますが、年齢を重ねてできないことが増えても、哲代さんは⾃分を上⼿に励まし、⾃由な⼼で暮らしをその時々にあわせてしなやかに変えていきます。

そんな哲代さんの101歳から104歳までの⽇々をみつめたドキュメンタリーですが、哲代さんの言葉には、私たちに元気をくれる人生哲学のようなものがあります。そんなたくさんの言葉かの中からひとつをご紹介します。

「のんきのんきで100年がすぎました。⽣きとるからこそできることがいっぱいですよ。友達とも話ができるし、花も摘まれるし。うららかな⽇が続く100歳はうれしいです。ありがたい⼈⽣です。「でした」⾔うたらいけん。“ING”でいきましょう。」

まさに“ING”で生きている哲代さんに逢いに映画館に足を運んで観てください。きっと元気をもらえますよ。

中村恵里香(ライター)

2025年4月18日 シネスイッチ銀座ほか全国順次

公式ホームページ:https://rcc.jp/104-hitori/

ナレーション:リリー・フランキー

監督・編集:山本和宏/撮影:的場泰平、筒井俊行/音響効果:金田智子/整音:富永憲一/プロデューサー:中村知喜、古田直子、出雲志帆、髙山英幸/統括プロデューサー:岡本幸/制作:RCC/配給:リガード/2024/日本/94分/ドキュメンタリー

©『104歳、哲代さんのひとり暮らし』


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