イエスの生涯を描いた映画はたくさん作られています。ところが、聖母マリアを主人公にした映画がどのくらいあるのか調べてみると、2006年に公開された『マリア』とケビン・コスナーが監督した『ジーザス』いう映画しか見つからないということがわかり、ちょっと驚きを感じました。
『マリア』という映画ですが、実際には見ていないので、なんとも言えませんが、受胎告知から出産、その後エジプトへという道のりを描いたもののようです。そこでマリアを演じたのは、ケイシャ・キャッスル=ヒューズ。この人は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』に出演しているので、ご存じの方も多いでしょう。
ケビン・コスナーが監督した『ジーザス』は原題が “MARY, MOTHER OF JESUS” ですので、まさしくマリアの視線でイエスの生涯を描いたもののようです。
さて、イエスの生涯を描いた映画に必ず出てくると思っていた聖母マリアですが、調べたかぎりでイエスの生涯を描いた映画が約20作品。そのうちマリア様が登場する映画は12作品でした。意外に少ないようにも思いました。
では、聖母マリアを演じた女優陣はというと、これが公開当時すごく有名な女優というのは案外少なく、後に有名になった女優さんも存外に少ないこと気がつきました。
最後に映画名、原題、監督名、公開年、マリアを演じた女優名の表を記しておきますので、ぜひ参考になさってみてください。
1979年に公開された『ジーザス』は、日本では公開されていませんが、無料でインターネットからダウンロードして見られます。この映画は、ジョン・ヘイマン監督が制作した作品で、新約聖書の「ルカによる福音書」を忠実に映像化することでイエス・キリストの生涯を描いた異色作として評価されています。出演者やエキストラは、ユダヤ人やアラブ人を多く起用したことでも注目されています。70以上の言語に翻訳されており、58億人の人が見たということです。ちょっと教育映画的な要素がありますが、じっくり聖書を読んだことのない人にはお勧めかもしれません。
(中村恵里香/ライター)
マリアを演じた女優(表)
邦題 (原題) | 公開年 | 監督名 | マリアを演じた女優 |
ベン・ハー (Ben-Hur: A Tale of the Christ) |
1925年 | フレッド・ニブロ | ベティ・ブロンソン |
キング・オブ・キングス (King of Kings) |
1927年 | セシル・B・デミル | ドロシー・カミングス |
ゴルゴダの丘 (Golgotha) |
1935年 | ジュリアン・デュヴィヴィエ | ジュリエット・ヴェルヌイーユ |
キング・オブ・キングス (King of Kings) |
1961年 | ニコラス・レイ | シオバン・マッケンナ |
奇跡の丘 (Il vangelo secondo Matteo) |
1964年 | ピエル・パオロ・パゾリーニ | マルゲリータ・カルーソ |
偉大な生涯の物語 (The Greatest Story Ever Told) |
1965年 | ジョージ・スティーヴンス | ドロシー・マクガイア |
ナザレのイエス (Jesus of Nazareth) |
1977年 | フランコ・ゼフィレッリ | オリヴィア・ハッセー |
ジーザス (Jesus) |
1979年 | ピーター・サイクス、ジョン・クリシュ | エリー・コーエン |
最後の誘惑 (The Last Temptation of Christ) |
1988年 | マーティン・スコセッシ | ベルナ・ブルーム |
ジーザス (MARY, MOTHER OF JESUS) |
1999年 | ケビン・コスナー | ジャクリーン・ビセット |
パッション (The Passion of the Christ ) |
2004年 | メル・ギブソン | マヤ・モルゲンステルン |
マリア (The Nativity Story) |
2006年 | キャサリン・ハードウィック | ケイシャ・キャッスル=ヒューズ |
サン・オブ・ゴッド (Son of God) |
2014年 | クリストファー・スペンサー | ローマ・ダウニー |