わたし


年を取ったせいか自分とは何なのかといろいろ考えます。以下は今日コロナ禍の中、マスクをして会社に向かう道々考えたことです。

皆、黙々と前を向いて歩いている通勤風景。わたしもその中の一員。

イメージしてみてください。

そんな時、突然わたしって何だろう? と頭に浮かびました。わたしって何だろうと考える私がいるのです。

「人間は考える葦である。」(パスカル)という人もいました。人間はそこらへんに生えている葦のような弱々しい存在だが「考える」という点において葦より尊い。ということだそうです。

だけど歩きながら考えてみました。

『考えることができる』ということは、それはそれで基本だろうけれど、それだけでは本来人間としてあるべき姿で生きていることにはならないのではないだろうか。

ということで人間考察が始まりました。

 

1. 生物(動物)としての人間

客観的に自分を見つめてみる。

まず基本的に人間は生物である。

人間は自分の体をすべて意思通りに動かしているわけではない。不随意筋が心臓を動かし、このポンプによって血液が体内を巡っている。

生物の機能として考えてみると、食事をして排泄する。呼吸する。

これらは人間として生まれたら必ず行うものである。

次に生物としての行動の原点は何だろう。

生存の欲求。子孫をつなぐ欲求などが頭に浮かぶ。

では生存の欲求ということから派生する人間の生物としての欲求のパターンは何だろう。

人間社会という中で生存の欲求を満たす行動は何だろう。

競争当然競争する喜びもあるだろうが、他と競争し勝ち抜くことは生物としての本能と思える。

生活物資の盗み生存するために他から生活物資を盗む。これも生存欲求からくるものだと思う。

排他的行動 自分が生き抜くために、他人の行動が気になり、不安になり、それを排除する行動にでる。

うそをついて他を貶めるというのもあるかもしれない。

優越感・自尊心他と比較して自分が優位な位置にあると感じたとき、優越感に浸り、ともすると自尊心から他を貶める行動をとる。

殺人他いろいろ複合的な要因で殺人を犯す。社会生活の中で絶対に侵してはならないことも生存欲求により起こす人がいる。

考えてみると、多分生存する生物としての行動パターンから派生した意識や行動はたくさんあると思う。

 

2. 人間としてあるべき姿とは

人間としてあるべき姿ってどんなものだろう。当然人間は生物である限り、もって生まれた生物としての性は拭うことはできない。

では生物としての人間の本能の赴くままに生きることが人間としてのあるべき姿であろうか。

人間には1項で述べた以外に大切な生物としての特徴がある。

協調性人間は生き抜くために、ひとりでは困難なことも協力して成し遂げることを覚えた。これは他の動物にもみられる特徴であるが人間としての特徴と思う。

思いやる心協調して生きていく中で

互いの立場や状況を理解し思いやるこころを持つことができた。これも一部の動物たちにもあると思えるが人間としての特徴。

愛するこころ生物としての生存本能と共に自分の子孫や父母のことを愛する気持ち。生物として種を存続する本能から芽生えたもの。

これは1項の生存本能に抵触しなければ誰にでもあると思う。

強いては、思いやる心から派生して、「他人の立場や状況に共感する。他人を我が事のように愛する」

これが大切な人間の本質。

人の心には生存本能に隠れて、普段表に現れない時もあるが、必ずこの気持ちがある。

そう思えた。

まだまだあると思うので皆さん一緒に考えてみてください。

 

3. 宗教

人間社会にはさまざまな宗教がある。

その中で人間の歴史に寄り添って、長く信仰をつないでいる宗教がある。

(わたしの思いだが)これらは、それぞれその本質の中で人間の特徴を捉え、本来人間はどう生きるべきかを説いているのを感じる。

わたしがわたしである為に、そして人間として生きていくために、大事な教えが秘められていると感じる。

 

4. わたしとは

わたしを形作るもの。

わたしを意識したときに、上記のようにいろいろな側面が現れるが、人間としてあるべき姿を意識したときに重要だと思うのは、2項に示すような事に謙虚に意識を向けて生きていきたいということ。

わたしの事を知っている人は、「あなたのように好きなことを言って、好きなように生きている人に言われたくない」という人もおられると思います。

  わたしもだいぶ年を取りました。

  さまざまな経験をさせていただきました。

  そんなわたしが今、「わたしって何だろう」と改めて思います。

  皆さんもきっとそんな思いを持つときがくるでしょう。

あっそうそう。

旧約聖書に「モーゼの十戒」というのがあります。

わたしはあなたの主なる神である。

  1. わたしのほかに神があってはならない。
  2. あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
  3. 主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。
  4. あなたの父母を敬え。
  5. 殺してはならない。
  6. 姦淫してはならない。
  7. 盗んではならない
  8. 隣人に関して偽証してはならない。
  9. 隣人の妻を欲してはならない。
  10. 隣人の財産を欲してはならない。
    (聖パウロ修道会「十戒とは何ですか?」)

            あき(横浜教区)


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