佐藤真理子
あなたのみ言葉はわが足のともしび、わが道の光です。
(詩篇119篇105節)
先日、私にとってとても緊張する出来事がありました。自分の中ではとても重要な局面だったので、ドキドキしながら目を覚ましました。その日の朝、私は日課のYouVersionという聖書アプリを開きました。このアプリは開くと毎日異なるみことばが載っているのですが、その日のみことばは申命記31章8節でした。
このみことばに、私は本当に励まされました。また、その日に読んだ聖書通読の箇所は、イエス様が弟子たちと共に船に乗り、嵐に出会った場面でした。
イエスが舟に乗り込まれると、弟子たちも従った。 そのとき、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。イエスは眠っておられた。 弟子たちは近寄って起こし、「主よ、助けてください。おぼれそうです」と言った。イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ。」そして、起き上がって風と湖とをお叱りになると、すっかり凪になった。人々は驚いて、「いったい、この方はどういう方なのだろう。風や湖さえも従うではないか」と言った。
(マタイによる福音書8:23~27)
神様が自分を強く励ましてくださっているのがわかりました。私自身はただ主に委ね、心配せず、安心していればよいのだと聖書を通して示されているのを感じました。
私は本当に緊張しやすいたちなのですが、このように神様からの力強い励ましを受け、平常心を取り戻すことができました。それ以降も勿論多少は緊張があったのですが、落ち着いて対処することができました。
キリストはこうして生きて、毎日私たちを慈しみ、励ましてくださいます。
今回は、キリストと日々の生活の中で親しく生きることについて、シェアしてみたいと思います。
神様と親しくなる最良の方法は祈りです。祈りは、神様とのコミュニケーションだからです。家族のように、また家族以上に親しい存在として何でも神様に語りかけてみてください。イエス様はいつでもあなたのそばにいるので、通学中、通勤中、家事をするとき、大事な仕事の前、いつでも祈ることができます。
目覚めたときに「神様おはよう。今日もよろしくお願いします。」眠りにつくときに「神様、今日もありがとう。」そのように一言神様に語りかけることはとても大切な神様とのコミュニケーションです。数秒あればできることなので、どんなに日常に追われていても、思い出したらぜひやってみてほしいと思います。神様は私たちと一緒に生きたいと思っておられるからです。
また聖書は、神様と私たちが親しく生きるための神様からの手紙です。誰でも、大切な人から手紙が来たら、喜んで大切にその手紙を読むのではないでしょうか。ぜひそんなふうに聖書を読んでもらえたらと思います。
聖書を読み始めると、レビ記や民数記で挫折してしまう人が多い印象を受けます。読みにくい箇所はしっかり読めなくても、最初のうちは先に読み進めることを優先してみてほしいと思います。というのは、聖書自体が聖書の最良の注解書だからです。聖書全体を通して何度も読んでいると、神様の人柄がわかります。他の聖書箇所を読むと別の箇所の理解が進むことはよくあります。
ぜひ毎日数分でも時間をとって聖書を読んでみることをおすすめします。体を動かすにはご飯を食べることが欠かせません。聖書は心のご飯です。優先して読む時間をとるのに余りある価値があります。携帯やテレビを見る時間を、少しの間、聖書に当てて読み進めていくことで、神様とより親しくなることができます。初めは意味がわからないことが多かったり、つまらないと感じたりすることもあるかもしれませんが、一定の量を読むと、聖書を読むことが楽しいと思える時期がやってきます。習慣化すると、むしろ読まないほうが落ち着かなくなってくると思います。
聖書を日々読んでいると、はじめに書いたように、そのときに必要な言葉を神様が私たち一人ひとりに伝えてくださいます。聖書を読んでいると、その与えられたみことばによって日々生きることが喜びとなります。
人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。
(マタイによる福音書4:4)
本当に、このみことばのとおりなのです。
アプリなどを利用して聖書を通読する方法もあります。上記のYouVersionというアプリでは、聖書を読むための様々なプランがあるので活用してみるのも一つの方法だと思います。
聖書の漫画などを読んで、先に全体像を把握すると理解の手助けになることもあります。日本聖書協会やいのちのことば社も出していますし、他の出版社からもわかりやすい漫画が刊行されています。クリスチャン、信者としての生活が長い方でもこういったツールはとても助けになると思います。
また、YouTubeの動画では世界中から信仰を手助けするための良いビデオが配信されています。聖書プロジェクトやアルファコースの動画、またジョイスマイヤーミニストリーズの動画など、とても励まされるのでお勧めです。私のホームページ「Faith Hope Love」にはこういった信仰生活の助けになるWebサイトなどのリンクを貼って紹介しているので、よかったら覗いてみていただけると嬉しいです。おすすめの書籍の紹介などもしています。
もちろん、これらのことは心の負担とならないように続けることが大切です。「こうしなければならない」ということは、キリストを信じる上で何一つありません。聖書が読めない日があったとしても、自責の念を感じる必要性は全くありません。しかし、積極的に神様と関わるほどに喜びは大きくなると思います。むしろ神様と親しくなるほどに、もっと積極的に神様と関わりたいと感じると思います。
週に何度か教会に行くこともとても信仰の助けにはなりますが、神様と親しく歩むには、むしろ日々の生活の中で神様と関わり、思いを馳せることがとても大切なことなのです。教会にいる時間以外の神様を忘れてしまうよりはむしろ、事情があって教会に行くことができなかったとしても、毎日神様と一緒に過ごすことのほうを遥かにイエス様は喜びます。
神様は私たちの人生すべてに関わりたいと望んでいます。自分にとって些細に思えることでも、ぜひ神様に打ち明け、尋ねてみてください。人に話すと笑われそうだと感じることも、神様は真剣に聞き、喜んで応えてくださいます。祈れないときは「神様、祈れません。」と打ち明けてください。既にそれは神様の喜ぶ正直な祈りです。
神様とより親しく歩みながら待降節を過ごすことで、今年のクリスマスはいつも以上に喜びが大きなものとなると思います。ぜひ素晴らしいクリスマスをお迎えください!
佐藤真理子(さとう・まりこ)
東洋福音教団所属。
上智大学神学部卒、上智大学大学院神学研究科修了、東京基督教大学大学院神学研究科修了。
ホームページ:Faith Hope Love